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2004/09/28

シザーハンズ

監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ/ウィノナ・ライダー/ダイアン・ウィースト
30点満点中19点=監4/話4/出3/芸4/技4

【世間知らずの人造人間の淡く切ない恋物語】
 エドワードは人造人間。生みの親である科学者に先立たれて、化粧品セールスレディのペグのもとに身を寄せる。その容姿や行動は奇異で、保守的な郊外の街では浮いてしまうが、両手のハサミを生かして植木の刈り込みやヘアカットに才能を示し、ペグの娘キムと心を通わせるようになり、次第に受け入れられていくエドワード。しかし、世間知らずで純真な彼は大いなるトラブルに巻き込まれることになる。
(1990年/アメリカ)

【すべてが“おとぎ話”としての完成度につながる】
 ギミックというかフリークスというか、シザーハンズという奇異なる存在を描こうとすると、映画そのものも“奇異”になってしまいがちと思うのだけれど、よくこのレベルまで真っ当に仕上がったもんだと感心する。
 いじめられたりワナにハメられたりをもっと濃く描く手もあったはずだし、手がハサミゆえのトラブルもまだまだ入れられただろう。ハサミゆえの利点も、植木職人や理容師だけでなく、ヒネリもふんだんに欲しかったところ。ペグがエドワードを家に置いてやるのも、動機が不足している。最後に登場する警官の行為の理由にも説得力を持たせる工夫があって然るべきだ。

 が、そうした細かな点を除けば、1つのストーリーとしてのまとまりはあって「お話を語る媒体としての映画」を観たという充足感は得られる。いや、ストーリーというより“おとぎ話”か。
 エドワードの造形はもちろん、原色をふんだんに使った画一的な街並みやクルマ、服装や音楽などによるオールディーズテイストの道具立てが、観るものを「いまいる場所とは地続きの、どこか不思議な土地」へと誘い込む。そこで巻き起こるアクシデントと、含蓄に満ちたストーリーは、まさに“おとぎ話”だ。

 カット割りや人物の動き、エピソード挿入のタイミングなどがコメディと冒険モノとの間をゆらゆらと動き、かつ古めかしさも感じるのだが、そのあたりもひっくるめて“おとぎ話”と捉えれば、印象的なラストシーンや、無機質ながら物悲しさを漂わせるジョニー・デップの表情など、いつまでも心に残るポイントに満ちていて、堅苦しい論評など不要の佳作として柔らかく輝く。
 この映画の構成そのまま、幼い女の子に「こんなことがあったんだよ」と語って聞かせるのにふさわしい内容だ。

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