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2004/10/13

メメント

監督:クリストファー・ノーラン
出演:ガイ・ピアース/キャリー=アン・モス/ジョー・パントリアーノ
30点満点中17点=監3/話4/出3/芸3/技4

【妻の死の真相を究明しようとする、記憶を維持できない男】
 妻を殺害された保険調査員のレナード。そのショックから、わずか数分前のことすら思い出せないという記憶障害を負ってしまう。症状に悩まされながら、妻の死の真相を解き明かそうとするレナード。記憶をサポートすべく事あるごとに紙や体にメモを書きつけ、その内容にしたがって事件をたどっていく。最後に起こった出来事から、1つ前の出来事、さらに前の出来事……と、時制を逆転させた大胆な構成で話題となった実験作。
(2000年/アメリカ)

【アイディアの勝利。だがアイディアに頼りすぎの印象も】
 全編を観賞後に振り返ってみると、事件そのものはどうというものでもなかったみたい、と気づく。それが「ちょっと前のことを忘れてしまう」という主人公の視点に立って観ること+事件を遡りながら体験することによって、観客も謎と緊迫感の中に投げ込まれる。カットインされるモノクロームのシーン=レナードが記憶障害に陥る前に遭遇した出来事の扱いもなかなかに効果的で、謎をさらに深めつつ、レナードの苦悩をわかりやすく解説する機能を果たしている。
 発想の勝利、といえるだろう。

 でも、それ以上ではない。
 大胆な構成で観るものを惑わし、ストーリーに変化を与え、少しずつ謎が解きほぐされていく喜びも与えてくれるのだが、そこでさらにもうひとひねり、通常の順序で観たとしても驚ける工夫が欲しかったところだ。
 どの程度の時間が経てば忘れるのか、その肝心な部分をイキに描いた部分……ビールのくだりやモーテル管理人との関係……も、もう少しオシャレに、数もふんだんに取り入れて欲しかった。
 また、いってみれば「事件を追うだけの映画」なわけで、ストーリーの広がりや映画的なお楽しみが感じられなかったのもマイナス点。妻との思い出の品を燃やすあたりからは、ただのサスペンスを超えようとする雰囲気、「映画としての何か」を感じるのだけれど。

 イメージとしては『ユージュアル・サスペクツ』(ブライアン・シンガー監督)に勝てるアイディアを思いついたんだけれど、そのアイディアだけに頼ってしまい、しかもそれを最後まで詰め切れなかった、といった感じの仕上がりだ。

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