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2004/10/18

28日後...

監督:ダニー・ボイル
出演:キリアン・マーフィ/ナオミ・ハリス/ミーガン・バーンズ/クリストファー・エクルストン
30点満点中16点=監3/話3/出3/芸3/技4

【凶暴化ウィルス蔓延。安全な地は、どこにある?】
 事故に遭って意識を失い、入院中のジム。目覚めると、病院からも町中からも人影が消えていた。事態を飲み込めず呆然とさまよい歩くジムを、突如、暴徒たちが襲う。研究所から漏れ出したウィルスのせいで、人間が凶暴化したのだ。感染を免れた元看護婦のセリーナ、高層ビルで暮らすフランク&ハナ親娘とともに、ジムは安全な地を目指す旅に出る。ようやく軍とめぐり合う一行だったが、その宿営地でもトラブルが待っていた。
(2002年/イギリス・アメリカ・オランダ)

【恐怖映画とロードムービーのハイブリッド?】
 ゾンビは走ってはならない、なんていうルールがあるという。真偽のほどは定かでないが、ゾンビ映画(この映画に登場する感染者をゾンビと呼んでいいのかはともかく)である限り、少なくとも以下のような恐怖を描かなければならない、それがルールだ。
 すなわち、襲われる恐怖、追い詰められる恐怖、自分もゾンビ化してしまうのではないかという恐怖、愛する人がアンデッド化する恐怖、誰が敵なのかわからない恐怖、極限状態に置かれることによって信頼関係が破綻する恐怖……。

 で、この映画では何を重視しているかといえば、視点が定まらず、それぞれの恐怖を申し訳程度に散りばめるばかり。核となるのは襲われる恐怖と、そこからの脱出となるのだが、それをロードムービー的に描いて“さわやか感”を出してしまった時点で、ゾンビ映画=恐怖映画としてのスジを外してしまっているように思える。
 いや、ロードムービーに仕立てようという試みは、悪くないのかも知れない。旅も逃避も、たいして変わらないのだから。ただ、さわやか+旅路と恐怖+逃避のバランスが悪いのだ。
 いっそ「迫ってくるぞー」「こっちにもいるぞー」=追い詰められる恐怖に絞り込んで、ノホホンとした旅の雰囲気と襲いくる恐怖とのバランスに留意しつつ、ひたすら逃げ続けることに固執したほうが「ゾンビ映画初のロードムービー」としての評価を得られたのではないか。となると、軍が絡むクライマックスでも主人公たちはなるべく戦わず、エンディングはアンハッピー・ヴァージョンを採用するのがベターだったろう。

 画面の見やすさ、都市部/郊外/逃げ場が限られた建物内といった空間描写のわかりやすさ、最後まで大きく破綻することなく観させる点は買うし面白さは感じる。が、恐怖映画としてもロードムービーとしても突き詰め切れなかったため締まりの悪さが出てしまい、強く推すことのできない映画でもある。

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