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2004/10/11

リクルート

監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:アル・パチーノ/コリン・ファレル/ブリジット・モイナハン
30点満点中15点=監3/話3/出3/芸3/技3

【CIA入りした若き天才。彼が遭遇する、謎めいた事件】
 学生ながらコンピュータソフト開発においては一流の技能を発揮するジェイムズ。前途は洋々としていたが、亡き父が国の秘密工作員だったことを知る。情報をもたらしたCIAのリクルート担当官バークは、ジェイムズをスカウト。CIA入りを決意したジェイムズは、仲間を信頼することも、また裏切ることも許されない過酷な訓練を乗り越え、晴れて就職に成功する。しかし本部で待っていたのは、陰謀の気配だった。
(2003年/アメリカ)

【面白くないわけではない、という微妙なデキの作品】
 ダマシ系映画の中でも抜群のハラハラ感を持つ『追いつめられて』を手がけた監督でもあるし、出る映画すべてが一筋縄ではいかないアル・パチーノだし、と期待を抱いて観ると、ややガッカリせずにはいられない
 緊迫感とか意外性とか、サスペンス映画としてのキモとなる部分がいまひとつなのだ。何度も言うが、この手の映画では「あっ」「えっ」といった驚きや、センス・オブ・ワンダーがないとダメ。どこかにダマシがあるということを前提として観られる映画というのは、「さぁて、どうやってダマシてくれるんですかね」といった観客のイジワルな期待を、大きく上回るだけのダマシを用意しなければならない。「あー、そうくるのね」程度じゃ満足できないのだ。

 中心となる事件が、なんだかスケールが小さい、というのも緊迫感や意外性の創出を阻害している。画面に登場するのは、ほとんど“身内”=主人公の手の届く範囲にいる人物たち。意味ありげだけれど実は無関係、どうということのない役割なのに実は事件のキーマン、といった存在がいないため、お話が広がっていかないのだ。たとえば『ボーン・アイデンティティー』(ダグ・リーマン監督)とか『スパイ・ゲーム』(トニー・スコット監督)のように、その事件の周辺には大勢が動いているんだろうな、と思わせる背景の広がりがない。

 ただ、あまり期待しないで観ると「そこそこ面白かったね」といえるレベルの仕上がりといえるだろう。才能ある学生がCIAに就職、厳しい訓練を経て正式に働き始めるが、そこで遭遇した事件の中で、誰を信じていいのか疑心暗鬼の闇へ……といった、まぁありがちなストーリーを、2時間を超えない枠ということもあってテンポよく、わかりやすく進めてくれる。訓練の過酷さが描かれる前半から、映画の中心となる事件が描かれる後半まで、さしたる破綻なくまとめられている。

 決定的な欠点や弱点はないが、かといって絶賛できるポイントもなく、くだらないわけでもないし、一生記憶されるものでもない。「面白くなくはない」映画といったところだ。

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