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2004/11/26

パンプキン・ヘッド

監督:スタン・ウィンストン
出演:ランス・ヘンリクセン/シンシア・ベイン/ジェフ・イースト
30点満点中15点=監3/話2/出3/芸3/技4

【蘇った怪物の残忍性は、想像を超えていた】
 荒野の村のはずれで雑貨店を営むエドは、幼い息子のビリーとともにつつましく暮らしていた。ある日、モトクロスを楽しみに村へやって来た青年たちにビリーを轢き殺されたエドは、悲しみと怒りに燃えて呪術師の老婆のもとへと赴く。老婆が蘇らせた伝説の怪物パンプキンヘッドによる復讐劇が幕を開ける。怪物と心をシンクロさせ次第に憔悴していくエドは、我を取り戻し、悲劇を終わらせるため怪物に立ち向かっていく。
(1988年/アメリカ)

【純B級だがB級なりの手堅さも感じる真っ当な怪物ホラー】
 炎の中にスタッフ&キャスト・クレジットが淡々と浮かぶオープニングからB級テイスト満開。主演ランス・ヘンリクセン以外は見覚えのない顔ばかりだし、村はずれというカネのかからないロケーションといい、画面全体に「決して大作でも話題作でもございません」的空気が漂う。

 ストーリーや語り口調もB級らしく練り込み不足。優しさと厳しさを兼ね備えた父と良くできた息子ビリーの関係を描く序盤はまずまずだが、ビリーが轢かれ、息を引き取るあたりから説明不足・説得力不足で駆け足の展開となる。
 まずは「なぜ病院に連れて行かん?」という疑問が浮かぶ。バイク青年たちだって、もっと遠くへと逃げるべきだろうに。
 怪物の残虐さにエドが人間性を取り戻すというのも都合が良すぎる。ハナっから怪物の凶暴さはわかっていたはず。ビリーを蘇らせるつもりだったのに怪物が復活してしまったとか、復活の儀式のときは完全に意思喪失状態だったとか、「こんなはずではなかった」感を強調する配慮が欲しかったところだ。

 ただ、極度に破綻したり画面が乱れたりすることはない。赤っぽくてホコリっぽい荒野、土と泥にまみれた村の家、濃紺の闇と白いライトで作られた夜など、まずまず手堅く各シーン・各カットが作られて、B級にありがちな「勢いだけで勝負して自滅」という愚挙には至っていない。
 もちろんカネはかけていないのだが、後半の見せ場へ向けて「手堅く、弾けすぎず」といったイメージで作られているようだ。

『エイリアン』シリーズや『ターミネーター』シリーズなどの仕事で知られる特殊メイク・特殊視覚効果の第一人者、スタン・ウィンストンの初監督作品。それだけに怪物の造形や暴れまわるシーンが見せ場となる。
 その部分に関しては及第点以上だろう。もっとアクションや殺しかたにバリエーションを持たせ、残虐性も割り増ししてよかったのではないか、とも思うが、「ドラマ部分はそれなりですけど、ここは見せ場なんで力を入れました」という意欲は伝わってくる。

 エンディングは、展開からすればこれ以外にない、納得できる内容。そのため、まぁ真っ当に作られているなという印象を残して終劇となる。
 広く奨められる作品ではないし、ぜひもう1回観てみようとも思わず、観て損したとも得したとも感じない作り。正直、15点は“あげすぎ”かな、という気持ちもある。ただ、これよりも乱れてしまったら失敗作、面白くしようという工夫を盛り込んだり説明不足が解消されればヒット作、その境目にある映画といえるだろう。

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