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2004/12/01

ゴースト・オブ・マーズ

監督:ジョン・カーペンター
出演:ナターシャ・ヘンストリッジ/アイス・キューブ/ジェイソン・ステイサム/クレア・デュバル/パム・グリアー
30点満点中13点=監2/話2/出3/芸3/技3

【火星に移住した人類は、禁断の種族を目覚めさせてしまった】
 近未来の火星。自動運転の貨物列車から発見されたメラニー・バラード警部補は、シャイニング渓谷の鉱山で起きた事件について語り出す……。囚人ウィリアムズを護送するため渓谷へ赴いた警部補らは、そこで暴徒と化した住民たちと遭遇。刑務所に逃げ込んでいた科学者によれば、彼らは地中から掘り起こされた姿の見えない相手=火星先住民族に憑依されているという。人類を侵略者とみなす“火星人”との戦闘が始まった!
(2001年/アメリカ)

【安心して(?)観ることのできるB級作品】
 果てしなくB級。まぁこのメンツを揃えてカーペンターが撮るのだからB級以外には成り得ないのだが。
 たとえば前半。オーバーラップを多用し、人の動きをフルサイズで追うだけのカメラワークで一本調子。というより「食事をさせようとして囚人の手錠を外した」とか「列車が来ていない」とか、セリフだけでストーリーを進めようとする。しかも展開が強引。回想の中にさらに回想が挿入され、構成としても整理されていないように思える。
 美術面は、なんだか60年代。そりゃあ確かに「火星で手に入る素材で作られた町」といわれればそうなんだが、設定の視覚化のスキルが『猿の惑星』(フランクリン・J・シャフナー監督)あたりに戻ったかのような雰囲気だ。
 設定といえば「生き延びるために、やむなく取り引きに応じるマッチョなアウトロー」なんて、まんま『ニューヨーク1997』やん、と、監督自身の退化も感じさせる。ホントはカート・ラッセルを使いたかったのではあるまいか。女性中心の火星社会という設定もストーリー展開にまったく生かされていない。

 アクションが主体となる後半は一転して迫力アップ……とは行かない。前半で、簡単に悪党に出し抜かれる警官、容易に警官にねじ伏せられる悪党という姿を描いておいて、戦闘になるといきなりバッタバッタとモンスターたちをなぎ倒していくのだから、かなり都合のいい展開だ。しかも妙なタイミングでスローモーション。原子力発電所もいきなり出てくるし、「ほぉ、そう戦うか」と感心させられる部分も、伏線らしいものもほとんどないし。そして、あ、やっぱりね、というエンディング。
 音楽も、あいも変わらずカーペンター自身の作で、売れないハードロックバンドのテイスト炸裂、画面の安っぽさを加速させる。

 が、それでいいのだ。ハナっから鮮やかさなど期待していない。競馬でいえば、とりあえず自分のレースだけして7着あたりに来るような馬、という感じ。それでも時には『遊星からの物体X』とか『ゴースト・ハンターズ』とか、重賞ウィナー級の印象に残る作品を作るのがカーペンターの魅力。本作でも、砂嵐の中を進む列車、火星人を封印していた扉、跳ね飛ばされる頭など、特殊視覚効果の画面への馴染みぐあいは光っている
 ここ、イケてないよなぁと思いつつも不思議と憎めないのは、あくまでB級に踏みとどまって決してC級へと大崩れしないからか。多くを期待することなく、たっぷりあるアラの中に光を見つけ出そうとしてしまう。そして、それが楽しいと感じてしまう。そういう意味で、安心して観られる作品ともいえる。もちろん万人にオススメできるものではないのだが。

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