5000回の存在証明
いちど観ただけで映画評なんか書けない。
ひとにすすめたいという想いも希薄だからレビューとは呼べない。
だから、このブログにアップするのは感想です。
10年後くらいに読み返して「あのとき、あの映画を観て、こんなふうに感じたんだぁ」と、ひとりでニヤニヤすることを目的としています。
本来、極私的な感想なんて、公共の目に晒すべきではないのでしょう。
けれど「ブログを更新しなくちゃ」というプレッシャーを自分にかけ続けないと、映画を観ることも感想を書くこともすぐに怠けてしまう億劫な性格なんです(という事情もまた極私的なものですが)。
もうひとつ。もし感想に意義があるとすれば、それは“数”です。
単に面白い・面白くないという二元論であっても、ある程度の“数”、たとえば100人ぶんの声がまとまれば、その作品を理解・判断する材料になってくれるでしょう。
でも“数”の中にあっさりと埋没したくはありません。
ストーリーの面白さを二元論で述べるだけでなく、演出や演技や技法など映画ならではの部分にまで言及して、はじめて「映画を観た、映画を語った」といえるのだという思いもあります。
自分にどれくらいの映画を観る力、映画を語る力があるのか、はなはだ心もとないのですが、100分の1にとどまることなく、せめて100分の3くらいの意味とパワーを持つものが書ければと考えています。
それに、希薄といっても、やっぱり面白い映画に出逢えたら、誰かに話したい、すすめたいという欲求が湧いてきます。
「この作品、観てみたいな」
「そう、そこがこの映画の魅力なんだよ」
「ああ、こういう観かたもあるのか」
そんなふうに感じていただけるものが書ければ幸せです。あるいはひょっとすると「ちがうちがう。この作品の面白さは別にあるんだ」という気持ちを抱いていただければ、それもまた成功といえるのかも知れません。
わたし自身も、映画について書かれたブログをいろいろ読ませていただき、そういう想いをさせてもらっています。
誰かが誰かに、影響をおよぼす。
大袈裟にいえばブログは、それぞれの存在証明の場でもあるわけです。
そんなわけで、極私的な感想といえど、誰かに読んでいただくこともまた前提としていますので、原則としてネタバレは避けているつもりです。
たとえば『インファナル・アフェア』3部作なんて、それに触れないとマトモな感想も書けないだろうという、かなり重要なことまで伏せたので、けっこう苦労しました。
30~50/dayの御来場者数(ユニークアクセス)、
80~90/dayのページビュー、というのが当ブログの現状です。
思いのほか多くのかたに読んでいただき、先ごろ御来場者数が5000を超えました。本当にありがとうございます。
こんなブログでよろしければ、今後も御愛読・コメント・トラックバックをお願いいたします。
中には明らかにアクセスアップ目的のトラックバックもあるようですが、それもまた「“数”の中に埋没したくない」という意識のあらわれ、そのかたの存在証明でもあるでしょうから(よほど酷いものでない限り)削除はいたしません。細々と続けているブログなので、せいぜいみなさんのページのカウンタを1つ2つ回すくらいが関の山でしょうが。
では、みなさんとわたしが、面白い映画と数多く出逢えますように。
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コメント
カウント5000、おめでとうございます。
谷川さんの記事、いつも楽しみにしています。
これからも、優れた「感想」をたくさんお願いします。
投稿: distan | 2005/04/27 01:37