テイキング・ライブス
監督:D・J・カルーソー
出演:アンジェリーナ・ジョリー/イーサン・ホーク/オリヴィエ・マルティネス/ジャン=ユーグ・アングラード/チェッキー・カリョ/キーファー・サザーランド/ジーナ・ローランズ
30点満点中16点=監3/話2/出4/芸3/技4
【他人の人生を“乗っ取る”殺人犯。いま、どこに!?】
モントリオールで発見された白骨死体。事件解決のため、FBIのプロファイラーであるイリアナ・スコット捜査官が呼び寄せられる。彼女は、別の殺人事件の目撃者である画商コスタの証言や行方不明者のリストなどから恐るべき事実へと辿りつく。「誰かが人々を次々に殺し、その被害者になりすまして生きている」。だが、犯人はいまどこに? 警察とイリアナは、コスタを囮として犯人をおびき出そうと計画するのだが……。
(2004年 アメリカ)
【悪くはないが良くもない、詰めの甘い作品】
とりあえず、アンジェリーナの乳だ。
いや、違った。FBIの女性プロファイラーという役柄には、あまりに巨大な先例・ライバル=ジョディ・フォスターやジュリアン・ムーアによるクラリス・スターリングが存在するわけだが、アンジェリーナは彼女たちにはない「黙っていても滲み出る、色気とチャーミングな雰囲気と寂しさ」を武器として、なかなかに頑張っている。
カメラも、彼女=イリアナの魅力や動きを捉えることに専心する。何かナメで画面手前をボカし、人物にフォーカスを当てる撮りかたを多用するなどして、クッキリとイリアナを浮かび上がらせる絵作りだ。
ただ、ストーリーや設定面は、あと一歩詰め切れていない。
題材そのものは面白い。だが、サスペンスの常道であるはずの「伏線とその鮮やかな解決」という構成が取られておらず、Aという事実があって、それを追うと新たにBが判明、さらにCへとたどり着き……と、流れがストレートすぎて「あっ」と驚かせるところがない。イリアナの単独行動や「いきなり脈絡なく重要なことに気づく」という安直な展開が多いことにも疑問を感じる。そのうえ、途中でもラストシーンでも先が読めてしまう。
また、イリアナの人物像は弱く、彼女がコスタと恋に落ちる展開も唐突で説得力に欠ける。警官たちのキャラクターも十分に描けていない。
こうしたキズがあるにも関わらず、スピード感ある演出が印象に残ってそれほど悪い作品だとは思えない。大画面スクリーンよりTV向きに思えるまとめかたではあるが、ストレートではあるものの一本調子ではなく、衝撃的なオープニング、静寂から突然のショッカー、フラッシュバックなど緩急とメリハリをつけて楽しませてくれるのだ。
ミステリーとして成功しているわけではないが、一応はラストまでしっかりと見せる映画ではあるといえるだろう。
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コメント
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不適切でしたら本コメントは削除していただいて結構でございます。
URL: http://www.sahara-movie.jp/cp/
投稿: GAGA 宣伝部 | 2005/06/06 17:30