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2005/05/22

スパイダーパニック!

監督:エロリー・エルカイェム
出演:デヴィッド・アークエット/カリ・ウーラー/スコット・テラ/スカーレット・ヨハンソン/ダグ・E・ダグ/リック・オーヴァートン/アイリーン・ライアン
30点満点中17点=監4/話4/出3/芸3/技3

【巨大化したクモが人々を襲う!】
 生まれ故郷の田舎町プロスペリティへと10年ぶりに戻ったクリスは、亡き父の遺志を継いで鉱山を復活させようとする。いっぽう町の実力者ウェイドは坑道を産業廃棄物の捨て場所として利用することで、ひと儲けしようと企んでいた。が、廃棄物のドラム缶から染み出した化学物質によってクモが巨大化、イヌやネコ、さらには人間をも襲い始める。クリスや保安官のサムを先頭に、住民たちはショッピング・モールへ逃げ込むのだが……。
(2002年 アメリカ)

【楽しくて正しいB級パニック映画】
 パニック映画以上の深み・広がり・味わいは、ない。たとえば決定的に欠けているのが、色気。ヒネリやムダ、抑揚もほとんどない。どんでん返しもないし恐怖もない。カメラワークをはじめとする技術面、あるいは美術・音楽でも冒険や挑戦はしていないし、CGもソコソコのレベルだ。

 ただ、深み・広がり・味わいといったレベルの高いことは求めずに、ストレートで一気にラストまで見せるパニックムービーとして評価するなら、必要なファクターをきっちり過不足なく描き、退屈させることもなく、十分に楽しい映画であることは確かだ。
 殺伐としているわけでもなく、この規模の映画にありがちなアングラ風味もない。ユーモアはしっかりと散りばめられているし、ファンサービスとして『死霊のいけにえ』や『ゾンビ』、『フィールド・オブ・ドリームス』などのパロディをふんだんに盛り込んでニヤリとさせる工夫にも取り組んでいる。笑える割には硬質な印象を残すが、あくまでも健全な(?)パニックムービーを目指して“手堅く”作っているためだろう。

 鉱山に充満したメタンガス、足にじゃれつくイヌ、地球はエイリアンに狙われているとわめき散らすラジオ放送、バイク……。前半部では、その後の展開のキーとなる出来事やモノがキッチリと伏線として提示される。そりゃあもう、あからさまなまでに。当然それらは中盤から後半にかけて期待通りに活躍してくれる。
 人物の配しかたもまた、巻き込まれてしまう主人公、保安官、いち早く異変に気づく少年、利己的な実力者など、いい意味でステロタイプ。
 さびれた田舎町、人間の身勝手な行為が呼んだ災い、機転とチームプレーによるパニックからの脱出、助け出さなきゃいけない人、親と子、男と女など、ストーリー展開や舞台設定・状況設定も収まりがいい。

 いわば“定番”ともいうべき要素を破綻なくまとめて、真っ当に作り上げたモンスター・パニック映画。B級の割に収まりが良すぎて優等生っぽいともいえるわけだが、劣等性のくせにA級を目指したような出来損ない映画より、よっぽど楽しい作品だ。

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