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2005/07/15

スター・ウォーズ エピソードII クローンの攻撃

★10000HIT御礼企画 SWサーガ一気SP その5★

監督:ジョージ・ルーカス
出演:ユアン・マクレガー/ヘイデン・クリステンセン/ナタリー・ポートマン/サミュエル・L・ジャクソン/イアン・マクディアミド/クリストファー・リー/テムエラ・モリソン/フランク・オズ
30点満点中19点=監4/話3/出3/芸4/技5

【青年となったアナキンとパドメの思いの行方は?】
 ドゥークー伯爵の扇動で共和国から離脱する星が相次ぐ。平和維持軍の必要性が叫ばれる中、元老院議員パドメが何者かに命を狙われる。暗殺者の手がかりを追うジェダイの騎士オビ=ワンは、惑星カミーノで殺し屋ジャンゴ・フェットを発見するとともに、意外なものを目にする。いっぽうジェダイ修行中のアナキン・スカイウォーカーはアミダラの護衛にあたるが、10年ぶりの再会を果たしたパドメと、ジェダイの掟を破って惹かれあう。
(2002年 アメリカ)

【技術とサービス精神で、さらに進化したサーガ】
 この『エピソードII』の時点では、アナキンがダークサイドに堕ちることも帝国が誕生して共和国が崩壊への道を歩むこともない。パルパティーンが悪の枢軸であることも伏せられているし、アナキンとパドメが双子の男女をもうけることなんかわからない。ダース・ベイダーなる人物は存在すらしていない。
 にも関わらず、この先の展開を誰もが知ったうえで本作を観ている。考えてみれば妙な話だが、映画じたい「この先の展開を誰もが知っている」ことを前提に作られ、その期待を裏切らない内容となっている。

 たとえばアナキンに対して「いつかお前に殺されそうな気がする」と冗談めかしていうオビ=ワン。そのほか意外なカタチで登場するストーム・トルーパー、ボバ・フェット誕生の秘密、デス・スターの設計図など、旧3部作へとつながる挿話や描写がこれでもかとばかりに入れ込まれている。
 そしてそれらを目にするたびに、観客は喜ぶのだ。「あぁ、これはあそこに、こうつながるのね」と。本来ならあり得ないはずの「6部作(9部作)の第4話~第6話が先に公開され、その後、第1話へ戻る」という、このシリーズならではの状況を正しく利用した作りといえる。
 究極は、母をさらったタスケンたちを掃討したアナキンが「あいつらなら殺してもよかったんだ。あいつらはケダモノだ!」と叫ぶシーン。ここに被せられる音楽が、全身に鳥肌を呼び起こす。
 ああ自分たちは、まさにサーガの真っ只中にいて、その目撃者となっているのだと実感し、感動できる瞬間だ。

 6本分の1でありながら、単独の映画としての面白さも持つのがSWシリーズの魅力。
 序盤のカーチェイス、中盤のオビ=ワンvsジャンゴ、そしてクライマックスのコロッセオの大激闘と、要所要所にアクションの見せ場が用意されているのは前作と同様だ。ヨーダの立ち回りも(ある意味ファンサービス)観られるし、C-3POは大笑いを誘う。
 緩急を自在に操って観るものを引き込むだけでなく、状況説明に追われがちだった『エピソードI』と比べて描くべきポイントが整理されていて、余裕を持ったストーリー展開を実現できているとの印象も受ける。
 ま、その描くべきポイント=アナキンとパドメとの恋(アナキンってばフォースを見せつけたりして“ええかっこしい”なのが微笑ましい)をのぞけば人と人との関係は相変わらず希薄なのだが、そのあたりを突っついても仕方ないと思わせるのも、このシリーズの持つパワーである。
 牧歌的なアナキンとパドメのふれあいや、手首を縛られて引きずられるシチュエーションはウエスタンで、『エピソードIV』以来のテイストをしっかりと引き継ぐ。またオビ=ワンが暗殺者の正体を追ってダイナーで情報を得たり、惑星カミーノでジャンゴ・フェットと遭遇するあたりは、ディテクティヴ・ハードボイルドの趣。
 とうとう西部劇+時代劇+戦争映画+ファンタジー+海賊映画+歴史絵巻+ハードボイルド=スペースオペラという、とんでもない作品になってしまった。

 そうした中身だけでなく、外観、すなわちデジタル技術によってもたらされた見た目の凄さも大幅に向上。もちろんどうしたってCGクサさは漂うのだが、マット絵とCGとセットとの区別が極力つかないように世界が構築されていて感心させられる。
 単に戦闘や人の動きを“映す”のではなく、大きな空間を作り上げ、その中にカメラを持ち込んで対象物を“捉える”ような絵作りも立派だ。
 これだけの超大作でありながら、エンド・クレジットが思ったよりも短いと感じる。デジタルのほうへヒトとカネとを集中させた結果だろうが、それがしっかりと出来上がりに反映されているし、「ようやくルーカスの思いのままに画面を作れる時代になったんだな」との感慨も抱かせる。

 キャスティングも上々だろう。アナキン役のヘイデン・クリステンセンにスター性は感じられないが、それが「この時点のアナキンは、まだ何者でもない」というイメージを強める。前作および前作のポスター同様、彼の影が印象的に使われているのも、アナキンの今後を暗示していていい感じだ。
 パドメ役にナタリー・ポートマンを得られたのも、このシリーズが成功した要因。とにかく美しい。クリストファー・リーってば、悪い伯爵にドハマリしているし。

 それにしても、ジェダイって意外とイヤミをいったり酒を飲んだりもするんだなぁ。もっと聖人君子で修行僧っぽいイメージを持っていたんだけど、存在の不思議さが増していく。
 そのあたりの解決も『エピソードIII』は見せてくれるだろうか。

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