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2005/08/04

金色のガッシュベル!! 101番目の魔物

監督:志水淳児
声の出演:大谷育江/櫻井孝宏/森川智之/矢島晶子/釘宮理恵/前田愛/菊池正美/高橋広樹/こおろぎさとみ/郷田ほづみ/三石琴乃/大塚周夫/錦織健
30点満点中16点=監3/話3/出3/芸3/技4

【ガッシュたちに、101番目の魔物の策謀が忍び寄る】
 魔界の王を決める闘いを、ちょっとひと休み。ガッシュや清麿、ティオにキャンチョメにウマゴンといったいつものメンバーは、富士山近くにキャンプへと出かける。そこで知り合った少女コトハは、白い予言の本を持っていた。「母に会える」という予言に誘われて洞窟に入り込み、魔界へと飛ばされるガッシュ。それは、魔界の王を決める闘いに、自分ではなく落ちこぼれのガッシュが選ばれたことを不快に感じていたワイズマンの策略だった。
(2004年 日本・アニメ)

【たまには気楽に、安心して観られるものを】
 ウマゴンが好きだ。画面にウマゴンが映っているだけで、思わず笑顔がこぼれてしまう。キョトンとした瞳とか、すぐにキレて「メルメルメ~」とわめき立てるところとか、かと思えばベロンベロンに甘えてくるところとか、うちのひよちゃん(セキセイインコ)にソックリである。
 声は“人間以外専門”といわれる、こおろぎさとみ。先日観た『マイボディガード』(トニー・スコット監督)ではダコちゃんの吹替えをやっていてビックリしたが、やはり「メルメルメ~」だけで喜怒哀楽を表現してしまうウマゴンが、もっとも味わい深い。
 原作者・作画担当者・演出・声優ともに、犬か何かを飼っているのかも知れない。身近に接している人にしかわからない、 意外なほどに感情豊かな動物の仕草と表情がウマゴンには目一杯に詰め込まれている

 雑誌連載中のコミックをアニメのテレビシリーズ化する際には「原作の連載にテレビ放送が追いつくのを防ぐため、ストーリーがなかなか進まない間延びした展開になる」という宿命を背負わされるが、『金色のガッシュベル』はユーモラスなオリジナル・エピソードと上質な演出で、これを回避。冗漫さを排して、作画レベルも含めて比較的丁寧に作られているという印象がある。

 劇場版の本作も、丁寧な仕上がり。お子様向けではあるが、子供向けであるがゆえに、わかりやすく、スピーディで退屈させない。見るからに怪しげな白い予言の本、罠、魔界でのドタバタ、明らかになる事件の全貌、そして決戦と、スムーズに進む。そこにはオトナもそれなりに楽しめるよう「友情の大切さ」「人としての心」といった普遍的なテーマも織り込まれている。
 また、コトハが森の小鳥を助けるエピソードが後のシーンにちゃんと生かされているし、「相手の呪文を吸収する」という白い魔本の特性を効かせて、各魔物の呪文とそのヴィジュアルをふんだんに盛り込み、吸収した呪文でワイズマンが危機を脱したりもする。まずまず説得力のある展開で、やはりきっちりと作られているというイメージだ。

 パースをデフォルメさせた作画にはちょっと馴染みにくいが、キャラクターデザインを担当した大塚健自身が総作画監督にあたり、絵には安定感とスピード感がある。木陰や太陽や呪文効果の光、パラシュート落下の浮遊感など質感も上々だろう。
 あからさまなまでに低音やサラウンド感を強調した音響も、わかりやすくて気持ちいい。

 もちろん完全オリジナルのアクション大作と比べれば、お話には性急さがあるし、スケール感にも深みにも乏しい。登場人物たちの心情表現をすべてセリフによって処理してしまっている。基本設定やキャラクターを理解していなければついていけないだろうし、ウマゴンの活躍シーンも少ない。
 が、テレビシリーズや原作を知る者なら、何も考えずにぼぉ~っと観賞してまずまず楽しめるレベルには仕上がっているといえるだろう。

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