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2005/10/20

バイオハザードII アポカリプス

監督:アレクサンダー・ウィット
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ/シエンナ・ギロリー/ジャレッド・ハリス/トーマス・クレッチマン/オデッド・フェール/マイク・エップス/ソフィー・ヴァヴァスール/ラズ・アドティ

30点満点中18点=監4/話3/出4/芸3/技4

【ウイルスに侵された死の街から、脱出なるか!?】
 ラクーン市の地下、アンブレラ社の研究所がT-ウイルスに汚染され、死者がアンデッドと化して人々を襲う。この窮地から辛くも生還したアリスだったが、ウイルスは市全域を覆い始めていた。アシュフォード博士のひとり娘アンジーの救出を託されたアリスは、警官のジルや警備員オリヴェラなど数人の生存者たちと死の町を往く。ラクーン市の“消滅”まで、残り時間わずか。だがその裏では、アンブレラ社による恐るべき計画が進行していた。
(2004年 カナダ/イギリス)

【類稀なスピード感が、密度の高さも生んでいる】
 スピードに酔いましょうシリーズ・第2弾。
 前作の監督ポール・W・S・アンダーソンに蹴られたわけだが、思いのほか面白い作品になった。アンダーソンの『AVP』が中途半端でIQの低い映画になったのに対して、こちらは真っ向から“やりたいこと”を主張するような仕上がりだ。

 対象物を斜めに捉えるカットを多用し、光をバックにする立ち姿、銃を撃ちまくるジルを背中から追うカメラなど「どう? キマってるでしょっ!」といわんばかりの絵作り。スタイルが先走っている感もあるが、確かにカッコいい。手間をかけたカットも1秒~2秒でズバっと切って次へつないでしまう。アニメか、あるいは戦隊ヒーローもののような編集だ。
 カットやシーンの素っ飛ばしかたも面白い。本来なら、立ち上がる、姿勢を立て直す、駆け出す、その背中、と作るシーンを、立つ→走り去る背中、といったあんばいのジャンプカット。警備員がアシュフォード博士から娘救出を依頼されるシーンをあえて描かない(携帯電話が鳴るだけ)など、無駄な場面は上手に省略されている。決してIQが高い映画ではないのだが、必要以上に頭の悪い内容にはならないよう「1つのモノゴトを描きすぎない」ようにし、それが上手いぐあいに、物語を浅く薄くするのではなく、密度を増加させる方向に作用しているようだ。
 アクションのバリエーションも及第点だろう。単に撃つだけでなく、殴ったり蹴ったりランチャーをぶっ放したり。ダストシューターや学校の理科室のガスなど“お約束”も盛り込まれている。
 やたらドンパチビシバシとやっていて、緩急の配分は、急、急、急、緩、急、急、急、急くらいの割合だ。

 つまり、重視されるのはスピード感とギッシリ感。何がどうなっているのかわからないけれど、とにかく速くてなんだか凄そう。そう思わせる爽快感がある。
 そうした演出面やスタントの仕事に助けられてはいるが、主役アリスを演じたミラ・ジョヴォヴィッチ自身の存在も大きい。かなりのトレーニングを積んでいるはずで、ビシっと決めるところを決めてみせる。たぶん世界でいちばん“男前”の女優だ。

 前作からの連続性も保たれているし、オープニング(アリスの独白)とストーリーとの結びつけかたも上手。PART2であること(つまり1本の映画としての完結性に乏しい)のが惜しいと思うほどだ。
 ただ、何もかもアっという間の出来事で後に残るものは少ない。密度はあるが深度がない、といったところか。せっかくジル役のシエンナ・ギロリーという魅力的なタレントも得ているのだから、サブキャラクターにももっと見せ場を与えてストーリーの幅も作ってほしかった。
 スピード感とギッシリ感に“深み”と“幅”が加わっていたなら、かなりの快作となったことだろう。

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