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2006/02/28

60セカンズ

監督:ドミニク・セナ
出演:ニコラス・ケイジ/ジョヴァンニ・リビシ/ロバート・デュヴァル/デルロイ・リンドー/アンジェリーナ・ジョリー/ウィル・パットン/チー・マクブライド/クリストファー・エクルストン/T・J・クロス/ヴィニー・ジョーンズ

30点満点中17点=監4/話3/出3/芸3/技4

【迫るデッドライン、盗むクルマは50台】
 いまは足を洗ったものの、かつては凄腕のクルマ泥棒として知られたメンフィス。だが弟のキップが、非情な英国人カリートリーから請けた仕事を失敗、尻拭いのため復帰せざるを得なくなる。かつての仲間たちを集めて「一夜で50台」という難関に挑むメンフィス。目の前に立ちはだかるのは、彼に恨みを持つ商売敵のジョニーB、刑事のキャッスルベック、そしてメンフィスにとっての“鬼門”、エレノアこと67年型シェルビーだった。
(2000年 アメリカ)

【テンポはいいが、上出来までは、あと一歩】
 犯罪映画を面白くするためのポイントとしては、動機、技術、経過、その犯罪がどれだけ困難かをしっかりと描くことなどがあげられる。その点で本作は、要件を満たすものとしてまずまずしっかり作られているように思う。

 一夜で50台、しかも指定された車種を盗まなきゃならないというのが、まずミソ。善良な市民なので1台あたり窃盗にどれくらいの時間がかかるものなのかは知らないが、念入りな下調べと十分な注意が必要だろう、難しそうだけれど腕利きのクルマ泥棒ならムリじゃないかも、と思わせる、ちょうどいいライン。
 盗みかたも、電子キーがあったり直結があったり、そこそこバリエーションに富んでいるし、勝手に必要のないクルマを盗んでくる若造がいたり、ヘビが登場したり、アクシデントもいろいろ。
 そいつを盗もうとすると必ずトラブルに巻き込まれるクセモノ、エレノアことシェルビーの存在も味つけとして効いている。

 そうしたトラブルやアクシデントを要所要所に盛り込み、退屈させない構成も良。特に前半部は、キップがカリートリーに捕まるところを描かなかったり、そのカリートリーに協力を迫られるメンフィスに「わかった、仕事を請けよう」とわざわざいわせる愚を犯していないなど、ポンポンとお話を展開させていくテンポのよさが光る。

 ただ後半は、クルマ=カーチェイスというのは不可避とはいえ安直。シーンそのものも長めで、ちょっとクドい。
 また、あれだけ多くの種類のクルマが登場するのだから、クルマの個性・特性を生かした見せ場がもっとあってよかったはずだ。直線だけはやたら速い、小回りが効く、他のクルマを踏み潰せるほどデカイ……など、さまざまなことが考えられるじゃないか。
 オチの付けかたも甘めで、腕利きのクルマ泥棒という設定はどこへやら、「結局ドタバタしてただけじゃん」で終わる乱暴ぶりは、いかにもハリウッド・アクション。

 キャスティングも、豪華な割には、それぞれの人物の“立ちかた”が足りない。特にアンジェリーナ・ジョリーは見どころがほとんどなし、ロバート・デュバルも偉そうにしているだけに思えるし、クルマ・マニアのキャッスルベック刑事もその設定をもっと生かすことができたはず。「この人物だから、こういうことが起きる」という発展が希薄だ。

 まぁ、教習所の先生ドニーが教えている生徒など笑いも散りばめつつ、クルマ系の映画にぴったりのサウンドトラック、ビシバシとスピーディーなカメラワークと編集など、全体にアップテンポで、一気に観させる作りではある。

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