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2006/02/27

ブルークラッシュ

監督:ジョン・ストックウェル
出演:ケイト・ボスワース/ミシェル・ロドリゲス/サノー・レイク/マシュー・デイヴィス/ミカ・ブーレム

30点満点中16点=監3/話2/出3/芸3/技5

【最高のサーファーガールを目指して】
 間近に迫ったパイプ・ライン大会に備えて練習に明け暮れるオアフ島のサーファーガール、アナ=マリー。抜群の才能を持つ彼女だったが、3年前に溺れたことが原因でスランプに陥っていた。そんなときに出会ったのが、島でバカンスを過ごすNFLのクォーターバック、マット。サーフィンを教えるうちマットと恋に落ちたアナ=マリーは、次第に練習にも身が入らなくなる。彼女の才能に期待を寄せる親友のエデンはやきもきするのだが……。
(2002年 アメリカ)

【内容は薄いが、爽快感と迫力はタップリ】
 恋とスポーツ。恋愛が好プレーのモチベーションになることもあれば、恋が向上心を阻害することもあるが、いずれにせよまるで王道のように、それらは常にペアで描かれる。問答無用にわかりやすい構図
 本作は後者、すなわち「試合が近づいているのに、男にうつつを抜かす」というパターンだ。そこに「もともとスランプで壁に突き当たっていた」とか「母親が家を出たことがわだかまりになっている」といった味つけもほどこされているが、要は「恋と夢と生活の間で揺れ動く青春ストーリー」として、わかりやすくまとめられている。

 ただ、このわかりやすさは内容の薄さにも通じる。「もうじき大会」という緊迫感がなく、アナ=マリーとマットが互いにどれほど思いあっているのかの描写も少ないし、アナ=マリーにとってのサーフィンの大切さも「いまでもサーフィンが一番よ」のひとことですませる。ズバっと核心に切り込むようなシーンがなく、なんかウダウダと時間だけが流れるのだ。
 いや、テンポが悪いわけじゃない。安物カーオーディオ向けの音楽をふんだんにBGMとして使い、早送りなども用いつつ、むしろ軽快すぎるくらいに展開する。が、それが中身の薄さへと収束していく。ビデオクリップの合間にストーリーが挟まる、という感じだ。

 まぁ、好きになることの動機なんか曖昧、きっちりとカタチになった表現なんてできない、ケンカもするし、やきもちも焼く、ホテルのハウスキーパーのくせに客室で悪ふざけに興じる……など、中身の薄い若者を等身大に描いているともいえるのだが。

 幸いにも、ストーリー的な薄さを補ってオツリが来るくらい、サーフィンのシーンは迫力タップリ。壁のように隆起する大波や、その波に乗る男女の至近距離までカメラは近づき、あるいは波の下へ潜り込み、はたまたパイプの中にまで入り込んで、適確なフレーミング、細かなカット、豪快なサラウンド音響で、観る者を奔流の中へと叩き落す。
 全身を波に飲まれる爽快感を味わうだけでも、この映画は価値がある。
 しかもここへ来て“わかりやすさ”が、画面の迫力を後押しする。大会のルールや「波に乗ることの何が難しいか」「どこがポイントになるか」を、説明過多にならない程度にわかりやすく盛り込んであるので、「あ、このままじゃヤバイぞ」とか「おお、上手く乗り切った」なんて、にわかファンを気取ることができる。ハラハラ&スカっとしながらサーフィンシーンに集中することができるのだ。

 アナ=マリー役のケイト・ボスワース、エデンを演じたミシェル・ロドリゲス、リナのサノー・レイク、アナ=マリーの妹ペニーのミカ・ブーレム、それぞれが明るくてチャーミングでダイナミックなボディでいい具合に日焼けしていて可愛くて、実際にサーフィン好きに見えることにも好感(マシュー・デイヴィスのマットはフットボール・プレーヤーに見えないが)。
 アナ=マリーに何かと絡むバカ軍団も、大会で彼女のライバルとなるサーファーたちも「結局みんなサーフィンが好きなのね」と思わせる扱いになっている。

 内容は薄いけれど、清々しさの残る作品だとはいえるだろう。

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