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2006/03/17

恋は五・七・五!

監督:荻上直子
出演:関めぐみ/細山田隆人/小林きな子/橋爪遼/蓮沼茜/杉本哲太/高岡早紀/もたいまさこ/嶋田久作/柄本明

30点満点中15点=監3/話3/出4/芸3/技2

【ダサくない! いま俳句はポップなんだから】
 統廃合の危機に瀕する静岡県の松尾高校。学校を盛り立てたい校長は、あらゆる大会に生徒を派遣することにする。『俳句甲子園』を目指す急造の俳句部に集められたのは、やる気なしの帰国子女ハルコ、チアリーダーをクビになったデブのマコ、ウクレレを弾く不思議少女ピーちゃん、アガリ症で万年補欠の野球部員・山岸、ハルコの隠し撮り専門の写真部つっちー。不安を抱えたまま、5人は大会開催地の愛媛県松山市へと乗り込む。
(2004年 日本)

【ゆるさが傷でもあり、魅力でもある】
「これ、嫌いなタイプの映画じゃないんですか?」
「でも、不思議と憎めないんだよ。理由のひとつは、キャラクターと役者の清潔感かな」
「治子役の関めぐみ、ありえない細さですね」
「体型はともかくとして、こんなに魅力的に笑えるとは思わなかった。いい演技とはいわないけれど、敵役だったTV版『がんばっていきまっしょい』より数百倍はよかったね」
「ほかの俳句部メンバーも、それぞれに魅力的でした」
「特に治子とは対照的な、太めのマコね。本人には悪いけれど、なんか見ているだけで笑えてくるキャラクター」
「顧問のマスオ先生を演じた杉本哲太も、生徒たちのぐにゃぐにゃ感によく付きあって、それでいて存在感も出していました」

「ただ、確かに嫌いなタイプというか、認めたくないタイプの作りではあるよ。“ゆるい”んだ、時間の流れが」
「微妙に間延びしていますよね」
「単純に『もうコンマ1秒早めに次のカットへ行って欲しい』という生理的な違和感がひとつ。実際、びっくりするくらいバシっと切り替わるシーンもあるんだから、その爽快さを全編に渡って大切にして欲しかった」
「1カットあたりも長めです」
「というより、1カットに多くのことを詰め込みすぎ、という感じかな。すべての映画に『24』みたいなスピード感や細かなカット割を求めるわけじゃないけれど、1つのアングルで出来事を長めに見せることが多い映画ってのは、確かにあまり好きじゃない」
「アングルといえば、バリエーションも少なかったように思います」

「たとえば部室での様子や俳句大会での対戦がそうだけれど『同じシチュエーションは同じアングルで撮る』という感じで、変化は乏しかった」

「ストーリーも、どこまでいってもベタベタでした」
「うん。『ここでトビラを開けたらピーちゃんが立ってるぞ』とか『ああ、マコが失恋するぞ』とか、予想した通りの展開。だからなおさら、もう少したたみかけるようなテンポで進めるべきじゃなかったかなと思う」
「間延びしたテンポが、せっかくのユニークなセリフを殺し、笑えるシーンを笑えなくさせているんですよね」
「それはいえてる。でも5分でギブアップした『月曜日に乾杯!』(オタール・イオセリアーニ監督)みたいに意味なくダラダラとしているわけじゃない。それに幸いなことにこの映画は、前半の“ゆるさ”と、少しテンポアップするクライマックスの俳句対戦のコントラストが効いている。それまでは“ゆるゆる”だったのが、見せ場でポンとギアチェンジ。だから全体の構成としては納得できるんだ」
「序盤のシーンとクライマックス前とのシンクロもあったりしますし」
「そう、盛り上がりへの持って行きかたはまずまずだと思う。なによりライバル校との戦いでひとりずつ胸を張って句を読み上げるシーンが、これまたベタベタな展開なんだけれど清々しい」
「清潔感がありますね」

「ちょっとえっちだし、うじうじしたところもあるけれど、それらを含めて青春なんだ、というニュアンスはよく伝わってくる“ゆるさ”だったんじゃないかな」

「これで全体にもっとポップだったら……という感じですか」
「まぁ“ゆるさ”を適度に残したままポップにするのはムズカシイんだろうけれどね。あと、心底ドキリと来るような句に恵まれたなら、という思いもあるよな」

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