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2006/04/08

ロッカーズ ROCKERS

監督:陣内孝則
出演:中村俊介/玉木宏/岡田義徳/佐藤隆太/塚本高史/上原美佐/玉山鉄二/浦田賢一/伊佐山ひろ子/白竜/大杉漣/佐藤浩市/小泉今日子/神木隆之介

30点満点中17点=監4/話3/出4/芸3/技3

【ロック馬鹿たちが、若さを武器に突っ走る】
 ジン、モモちゃん、ガクちゃん、コーちゃんに、新ギタリストのタニを加えた新生ロッカーズ。暴走族のパーティで演奏したり、ライブハウスに閑古鳥が鳴いたりと情けないバンドではあるが、次第に人気を集めるようになっていく。やがて訪れる、コンテストというビッグチャンス。念願のプロデビューを目指して練習にも熱が入る。だが、タニの患っている眼の病が早急に手術を要するものと発覚。コンテストは目前に迫っていた……。
(2003年 日本)

【バカではあるが、それほど頭は悪くない】
 あくまで和製野暮コメディの域を脱していないし、スケールもテレビドラマの枠内。バンドが人気者になっていく過程やメンバーそれぞれの音楽的葛藤などは薄く、ひたすら「メジャーになる」「オンナとヤリたい」を前面に出したおバカなロケンロール映画である。
 だが、頭の悪い作品にはなっていない。“意思”があるのだ。

 まず、音楽映画であることが重視されている。クライマックスの10分間ノンストップ演奏をはじめ、各曲はタップリと映されるわけだが、タイプの異なるバンドを用意して各々の見せ場をしっかりとアピール。激しいだけのロッカーズに対して、ライバルであるリップオフのホーンやヴィジュアル的演出を交えたゴージャスなステージは上手く対比させられているし、ライブハウスが次第に満杯になっていく描写など「ただ出来事・演奏を映すだけでなく、工夫とディレクションを凝らして流れを作る」という“意思”が感じられるのだ。

 あるいは「ロケンロールらしい疾走感のある映画にしよう」という心意気があるともいえる。
 たとえば「10分あれば3曲やれる」というタニの無茶な提案に対するジンの反応は、まさしくロケンロールならではの疾走、いや暴走だ。
 そうした暴走を、しかし、カメラはきっちりと捉える。画面への人物の収めかたはスマート、ときに70~80年代の日テレのドラマ風の絵作りで猥雑さを醸し出し、必要なリアクションを映した必要なカットをきちんと挿入してみせる。全体に、スピード感とわかりやすさを両立させた仕上がりで、この手の、勢い重視の映画にありがちな破綻が少ないことに好感を覚える。

 演じる面々にも「単純な若さ」というカッコよさがある。特に岡田義徳は[趣味・特技:ドラム]だけあって、なかなかに決まっている。コメディエンヌとしての上原美佐も魅力的で、常に人の陰や物陰から顔を出す姿がユニーク。主演陣以外の豪華キャストも、この映画のテーマの1つであるニギヤカさを増加させるのに貢献しているといえるだろう。

 疾走感(というか、見た目のまとまりのよさというか)を重視しすぎたあまりドラマ的な重みは皆無となってしまったし、真っ向から青春を描くことに恥じらいがあったせいか、オフザケも挟まれて自らB級へと貶めてしまっている部分もある。
 が、105分を一気に見せ切るパワーとスピードはなかなかのもので、疾走感にノレる映画ではあるだろう。

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