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2006/06/08

LIMIT OF LOVE 海猿

監督:羽住英一郎
出演:伊藤英明/加藤あい/佐藤隆太/大塚寧々/吹越満/美木良介/津田寛治/光石研/石黒賢/時任三郎

30点満点中15点=監3/話2/出3/芸3/技4

【沈没迫るフェリーから、大輔たちは無事に脱出できるか!?】
 海上保安庁第十管区の機動救難隊員として鹿児島で働く仙崎大輔。婚約者の伊沢環菜が横浜からやって来るが、大輔は、ある理由から結婚に踏ん切りがつかない。そんな折、鹿児島沖で大型フェリーが座礁、爆発するという事故が起きる。救助に駆けつけた大輔は、偶然フェリーに乗っていた環菜を船外へ誘導したものの、自分自身は、相棒の吉岡、妊婦の本間、脚に怪我を負った海老原らと船内に閉じ込められてしまう。沈没が、迫る……。
(2005年 日本)

【リアリティはゼロ。でも、まずまず退屈しのぎにはなるか】
「ウワサ通り、突っ込みどころ一杯の映画だったな」
「間違い探しというか『おかしなところ探し』クイズができそうです」
「あの程度の傾きで横滑りを起こすクルマは車検通らないだろう、とか」
「事故発生後、霞ヶ関から下川さんが到着するの早すぎ、とか」
「船内でモノが落ちすぎ、とか」
「自分がいる場所くらい計器のプレートを見ればわかるだろ、とか」
「妊婦が1分半も息止めてられるか、とか」
「あんなところにケータイが残されている理由も不明」
「座礁するくらいの浅瀬で大型船が垂直に沈んでいったしな」

「キリがないのでやめましょう。そういう細かなところに目をつぶれば、なかなか楽しめたんじゃありませんか? たとえばプロポーズのシーンなんか感動しましたよ」
「んなこと告ってるヒマあったら早く脱出しろよと気が気じゃなくて、何を喋っていたか覚えてないな。前作でもそうだったけれど、この脚本家と監督って、恋愛関係を描くのが下手なのかも」
「……。まぁ確かに、沈没が迫っているのに悠長でした」
「そもそも『沈没が迫っている』という危機感が希薄だったけどな。大塚寧々をきゃーきゃー騒がせとくのが危機感をアオる演出だと思っているような感じで、火や水が迫ってくる雰囲気はイマイチ伝わってこなかったな」

「褒めるところを探しましょうか」
「CGだな。ホントにあのサイズの船が傾いているように見えたもん。ここにカネと手間隙をかけすぎたせいで、他のパートの演出がボロボロになったのかも」
「でも、先にあげた“突っ込みどころ”は主に脚本のせいで、演出は及第点だったんじゃありませんか」
「演出プランニングはグダグダに近かったと思うぞ。最後まで見せ切った点を評価して3点にしたけれど」
「たとえば、マズかった部分は?」
「船が傾いているから画面も傾いていただろ。それはいい。でも天井から落ちてくる水滴は画面に対して垂直でなきゃいけないのに、壁に対して平行。つまり『カメラを傾けているだけ』ってことがミエミエなんだよ」
「また、そんな細かなところを」
「いや、つまり“いい加減”に撮ってるって印象なんだ。環菜のウェディングドレスや大輔に対する思い入れ、大輔が抱いている環菜や仕事に対する気持ち、本間や海老原の『生きたい』という願い、大輔と環菜、大輔と吉岡、大輔と下川の間にある『信じている』という想い=この映画の大テーマ。そういう、ストーリーをドラマティックに盛り上げるパーツ/キーワードをドラマティックに映さず、フツーにフレーム内に収めている。こういう絵にしたい、こういう映画にしたいっていうプランニングがないんじゃないかって感じた。リアリティを犠牲にするなら、せめてそういう“盛り上げ”くらいはさ、コテコテにアピールしてくれないと」

「じゃあ、せいぜい『細かなところは許してあげてください。テーマを読み取って感動しようとも思わないでください。でも退屈しのぎにはなるでしょう』といったところですか」
「そんな感じ。あと、これを観ると『アポロ13』(ロン・ハワード監督)とか『ポセイドン・アドベンチャー』(ロナルド・ニーム監督)の偉大さがよくわかる、ともいえるかな」

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