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2006/06/12

銀のエンゼル

監督:鈴井貴之
出演:小日向文世/浅田美代子/佐藤めぐみ/山口もえ/村上ショージ/嶋田久作/西島秀俊/大泉洋

30点満点中16点=監3/話3/出4/芸3/技3

【とあるコンビニでの物語】
 冬が近づく北海道の片田舎。農業をやめてコンビニ店のオーナーとなった北島昇一だったが、仕事や年頃の娘・由希のことは妻の佐和子に任せっ切りでのほほんと暮らしていた。が、妻が交通事故で入院したことから、店や娘と真剣に向き合わざるを得なくなる。スナックのママ・明美ちゃん、バイトの佐藤くん、トラック運転手の六木、由希の同級生・武ら、店に集まる人たちの人生を照らすように、今夜もコンビニの看板は光り続ける。
(2004年 日本)

【キャラクターや雰囲気は悪くないけれど】
 たぶん、自分は幸せじゃないと感じている人や、困難な夢に向かって歩んでいる人の誰もが、銀のエンゼルを集めながら生きているんだと思う。
 もっとも、最後の1枚を見つける前に集めていた分を失くしちゃったり、景品の缶詰を手に入れたけれど中身は期待したほどでもなかった、っていうのは、よくある話。
 でも実は、最後の1枚を手に入れることじたいは簡単。自分にとって何が本当に大切なものなのか、それに気づくだけでいい。
 そして、憧れや頑張り、幸せや思いやりのベースにあるものは、その“大切な何か”であるべきだ。

 まぁそのあたりのメッセージはそこそこに伝わるが、映画としての仕上がりはイマイチ。

 雰囲気は悪くない。白い空、深い雪、手作りバター、地平線など北海道っぽさを盛り込みつつ、横長のスクリーンサイズを生かした絵作りも見られるし画面の切り取りかたもいいし、1カットずつ丁寧に撮っている感じも伝わってくる
 出演陣も、思いのほか良かった。主演・小日向文世はいつも通りながら、そのいつも通りが、まんま“のほほん父”の風情として生きる。娘の一大事なのに客に挨拶する様子が、侘しくってじれったくて心地良い。同じく、いつでも棒読みの西島秀俊も本作に限ってはそれが味となっているし、いつでも熱血空回りの大泉洋も適役だろう。
 佐藤めぐみは、等身大の高校生を気張らずに演じていていい感じ。山口もえのママも地を生かしながら新境地。が、なんといっても大発見は村上ショージで、こんなにも「まったく力まずに暮らしているオヤジ」がハマるとは思ってもみなかった。
 すべての人物が「1つのキーワードでは語れない、生きている人たち」という雰囲気を醸し出しているのがいい。

 ただ、それ以上ではない。いってみれば、フツーの人々の日常を丁寧に撮りました、というだけの映画だ。そういう作品もアリだとは思うが、キャラクターのナチュラルさ、そのナチュラルさに浸る心地よさに頼って物語を作るのを忘れてしまった、というイメージ。ふんわりほっこり感はあるのだが、映画を観た実感に乏しいのだ。
 また演出的にも、ところどころに間の悪さや不要なギャグも見られるし、BGMの使いかたもテレビ的。土曜の深夜あたりにテレビスペシャルとして観るにはいいけれど、劇場映画である限り、どこかにスケール感やワクワクや輝きを盛り込んで欲しかったところだ。

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