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2006/07/22

金色のガッシュベル!! メカバルカンの来襲

監督:五十嵐卓哉
声の出演:大谷育江/櫻井孝宏/釘宮理恵/前田愛/菊池正美/高橋広樹/こおろぎさとみ/郷田ほづみ/齋藤彩夏/千葉繁

30点満点中17点=監4/話3/出3/芸3/技4

【囚われの清麿、反逆のバルカン、ガッシュの涙】
 未来からやってきた魔物のDr.M2に拉致された清麿。M2は彼独自の魔科学を否定した魔界に復讐するため、清麿をパートナーにしようと企んでいるのだ。同じ頃、ガッシュの前に現れた巨大ロボット。それは、清麿が作ってくれたガッシュにとっての初めての友だち=バルカン300とそっくりな姿かたちをしていた。ガッシュ、ティオ、キャンチョメ、ウマゴンはロボットと楽しく遊ぶが、実はこれもDr.M2の陰謀であった。
(2005年 日本 アニメ)

【作品のテーマを存分に描いた感動作】
 シリーズアニメの番外編となると、どうしてもゲスト・キャラクターに頼る展開になりがち。事実、劇場版ガッシュの前作『101番目の魔物』には数々のゲストキャラが登場、ストーリーを進める役割を担っていた。
 だが今作では、おなじみの顔ぶれが中心。メカバルカンをレギュラーと考えれば、純粋なゲストはDr.M2のみといえる。

 そのぶん、キャラクター紹介や状況説明に時間を取られずにすみ、いいたいこと・伝えたいことを凝縮した仕上がりとなった。すなわち『ガッシュベル』の最重要テーマである“友情の大切さ”を懇々と説く映画。いや“友情こそが大切と考える生きかたの清々しさ”というべきか。
 たとえ空き箱と割り箸で作られたバルカンといえど、それは友。清麿がガッシュに差し伸べる優しさの象徴でもある。そのバルカンを守るために、涙を流しながら奮闘するガッシュ。
 あるいは大好きな人たちが暮らす世界を守るために「やれるのではない。やり切るのだ」と叫ぶガッシュ。
 この真っ直ぐな熱さこそが『ガッシュベル』最大の魅力/テーマであり、それを存分に味わえる内容といえるだろう。

 演出も立派だ。音響・レイアウトともに広がり感と奥行きのあるオープニングに始まり、光や陰影や空気の動きまで表現し、メカバルカンの着地時にはグっとヒザが沈み込み、と、細かなところまで気を配った作画。CGの織り交ぜかたも効果的だし、スイッチを押すという単純な動作にも複数カットを用いるなど、全体に丁寧かつスピーディな絵作りだ。
 また「ピポパポ」という電子音とメーターの動きだけでバルカン四代目の感情表現をやってのけたことも、大いに評価したい。

 声優陣の「声の芝居」も重視しているように感じた。気取ってみたりフザケてみたり、イヤミ、熱気、颯爽……と、多彩な声の演技が楽しめる。少しクドめだが抑揚のハッキリしている千葉繁を起用したのも、「声重視」の考えの表れだろう。もちろん、声の芝居と絵との連動もバッチリだ。

 キャラクター/舞台/テーマとも狭い範囲に絞ったため、お話に広がりはない。一気かつ一直線に終劇となってしまうから物足りなさも残る。あくまで子供向けの域を脱しない、科学考証無視+強引なストーリーでもある。
 だが、ハリウッド大作の『アイ,ロボット』にもなかった“ロボットの苦悩”やプチ・タイムパラドックス、「もったいない」の意識などもサラリと盛り込まれていて、濃密で、なかなか感動的なデキだ。

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