« シンデレラマン | トップページ | パッチギ! »

2006/09/18

0:34 レイジ34フン

監督:クリストファー・スミス
出演:フランカ・ポテンテ/ヴァス・ブラックウッド/ポール・ラットレイ/ケリー・スコット/ジェレミー・シェフィールド/ケン・キャンベル/ショーン・ハリス

30点満点中15点=監3/話3/出3/芸3/技3

【最終電車発車後の地下鉄構内で起こる惨劇】
 パーティーを抜け出したケイトは、飲みすぎたせいか地下鉄のホームで居眠りをし、最終電車に乗り遅れてしまう。完全にふさがれた出入口。そこへやってきた電車に思わず飛び乗ってしまったケイトと、彼女を追いかけてきたガイ。ケイトに気のあるガイは彼女に詰め寄るが、何者かがガイを襲って重傷を負わせる。ホームレスのジミーとマンディ、地下鉄の警備員らに助けを求めて脱出を図るケイトだったが、惨劇は続くのだった。
(2004年 イギリス/ドイツ)

【安定した前半と面白みに欠ける後半】
 神経質なオープニングクレジット、前科モノ、よせばいいのに闇の中に分け入ってしまい、いかにも何か起こりそうな中で本当に何かが起こってしまって、享楽的な若者たちの姿と、あまり魅力的でないヒロイン……。
 かなりベタな作りと流れでお話は進む。

 ベタであるだけに破綻もなく、安定感はまずまずだ。イギリスらしい冷たくて灰色がかった空気の中で起こるホラーは新鮮だし、登場人物の視線の先から音が聞こえてくるようなサウンドも不気味。乗り遅れる際の時間経過の表現もクール。
 わけのわからぬままケイトとともにズルズルと恐怖へ引きずり込まれる雰囲気は快感ですらある。

 が、後半、グロと倒錯の度合いが増してくるにつれて面白味がなくなる。怖さより気持ち悪さと居心地の悪さが勝ってくる。
 真相についてあまり多くを説明しなかったのはいいとしても、ヒネリがまったくないことがツマラナさの原因か。たとえば何事もカネで解決しようとするケイトのキャラクターがあまり生かされていないため、ラストの皮肉がまったく利いていない。ケイト、酔っ払ってる割に火事場のクソ力を出しすぎだし、途中で合流する連中はみんな使えねーし。

 グロ人間ものの『マイドク』(デヴィッド・ブライス監督)と地下鉄ホラーの『ミミック』(ギレルモ・デル・トロ監督)とを足して2で割りそこなった感じで、どことなく中途半端。ただ、最後まで観させる勢いのよさはあるといえるだろう。

|

« シンデレラマン | トップページ | パッチギ! »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 0:34 レイジ34フン:

« シンデレラマン | トップページ | パッチギ! »