SAW 2
監督:ダーレン・リン・バウズマン
出演:ドニー・ウォールバーグ/ディナ・メイヤー/エリック・ナドセン/ショウニー・スミス/フランキー・G/グレン・プラマー/ディナ・メイヤー/ビヴァリー・ミッチェル/エマニュエル・ヴォージア/トビン・ベル
30点満点中17点=監4/話3/出3/芸3/技4
【連続殺人犯ふたたび。その策略を打ち破ることはできるか?】
数々の仕掛けで「命を大切にしていない者」を殺し続ける連続殺人犯ジグソウ。被害者の死体から証拠をつかんだ刑事のエリックは、犯人の居場所を突き止めて身柄を確保する。が、その隠れ家に並ぶモニターには、エリックの息子ダニエルの姿が。ダニエルは、かつてジグソウから逃れたアマンダら数人とともに仕掛けに満ちた家に拉致されているのだ。毒ガスが次第にダニエルらを蝕み、エリックはその家の場所を吐かせようとジグソウに詰め寄る。
(2005年 アメリカ)
★ややネタばれを含みます★
【意外な面白さ。ただしこれが限界】
PART2に良作なし、とは、よくいわれること。ましてや前作は、いくつかツッコミどころはあるもののダマシ系ミステリーとして上手にまとめた秀作だっただけに、その続編は「過度の期待をかけずに観る」くらいがちょうどいいだろう。
が、今回も思いのほか上手に仕上げられていた。さすがにPART1を上回ることはできなかったものの、前作とは異なる意趣を凝らし、前作とは違うアプローチで意外と面白いモノになっている。
最大の特徴はテンポ/スピード感。いきなりのショッカー場面に始まり、ズドズドと畳み掛けるようにストーリーは展開する。1カット3秒以内(極端なところでは1秒以下)で目まぐるしい。このスピードを最後まで貫き通して、種明かしも躊躇なく流す。
ただしその“速さ”が“軽さ”とならないよう、オイリーでアンダー気味の画面を作り出して重苦しさを醸しているのが心憎い。
また全体としてことさらに「痛さ」を強調するような仕掛け・撮りかたとなっていて、そういう場面ではややしつこく状況を映して「うげぇ、早く次のシーンへ行ってくれよぅ」と思わせる。それが効いている。
で、その次のシーンでも同じように「また何かあるよぉ」「うげぇ」と思わせて、カラクリ屋敷とジクゾウの隠れ家をザッピングするような構成にもなっていて、アドベンチャーゲームのノリで最後まで飽きさせない。
お話としては、貫井徳郎あたりを思わせるトリックでミステリーとして成立させつつも、前作からのテーマである「命についての正しい考えかたとは何か」という部分も残してあって、正統な続編と感じさせる。
まぁ驚くほど斬新なトリックではないし、「ジグソウってば、これだけのことをやってのける財力と知力があれば人を殺すよりほかにすることがあるだろ」と思わせたりして少々乱暴なところがあるのは否めないが。
だから謎解きを楽しむというより、スピードと緊迫した空気に身をまかせつつ、ほうほうふむふむ、それでどーなるのよと単純にワクワク(いや、痛そうなんでワクワクはできないんだけれど)して観る映画といえるだろう。その範疇においては、秀作=前作の名を汚さないだけのものに仕上がっていると思う。
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