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2006/10/01

プライマー

監督:シェーン・カルース
出演:シェーン・カルース/デヴィッド・サリヴァン/ケイシー・グッデン/アナンダ・アダヤヤ/キャリー・クロフォード/サマンサ・トムソン/チップ・カールス

30点満点中15点=監3/話2/出4/芸3/技3

【過去へ跳ぶと、そこには当然もうひとりの自分がいる】
 ガレージで発明に勤しむアーロン、エイブ、ロバート、フィリップ。だが金になるものを発明することはできず、出資者の態度にも不満が募るばかりだ。ところがアーロンとエイブは、超伝導の実験中、偶然にもタイムマシンを発明してしまう。他のメンバーにはこの事実を伏せ、過去へ跳んで株式で大儲けするふたり。だが、タイムトラベルは「同じ時間に自分がふたり」という状況を作り出し、それが“歪み”を生んでしまうのだった。
(2004年 アメリカ)

【わかりにくい、というだけの映画】
 白のザラつきが目立つ色調と、右-左に人物を配する会話シーンが、どことなく『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック監督)を思わせる。どこまで意図して作った画面かは定かではないが、『2001年』がそうであったように、本作も「映画ではなく哲学・メッセージ」を目指した作品なのかも知れない。

 ただし『2001年』が視覚・聴覚・触覚へとダイレクトに問題を突きつけてくるのに対し、こちらは脳みそをノックするという感じ。
 また『サマータイムマシン・ブルース』(本広克行監督)が、100人の観客がいれば100人に100パーセント理解させようと、噛み砕いて説明していたのに対し、こちらにはそんな親切心など微塵もない。というか「誰にも理解なんかさせてやるもんか」という気概(?)を感じるほど内向的。パッケージに書かれている「最低5回は観ないと理解できない云々」という言葉はウソではない。

 とはいえ5回も観たいと思える作品ではないので、無理やり理解したつもりになってみる。たとえば……

(1)■■A■■■■■■D■■■■B
(2)■■A■■■■■■■■■■■■■■■C
(3)■■A■■■■■■D■■■■■■■■■■■■■■E
(4)■■A■■■■■F■■■■■■■■■■■■■■■■■■■→

 BからA(つまり過去)へジャンプすると、A~Bの時間には(1)と(2)というふたりの自分が存在することになる。それだけなら大して問題にはならないが、(2)がCからAへと跳んで3人目の自分=(3)となり、さらに(1)をDの時点で殺害してしまったら?
 Bが存在しないことになり、となると(2)も(3)も発生しないというパラドックスが生じてしまう。そこでEからFへとジャンプ、(4)Dでの殺害を阻止することにしてみると……。

 結局のところ、こういうパラドックス(いや、映画内で起きる出来事はこの通りではないんだけれど)を解説なく&細切れの映像で見せておいて「もう1回観て、時間の流れを整理してから、いつ何が起こったかを理解してください」というストーリー。

 哲学的なのと「わかりにくい」のとは別だろう、と思うのだが。ひょっとすると5回観ると、アっと驚くようなパラドックスとその解法が隠されていることに気づくのかも知れないが、脳みその体力を要しそうだ。

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