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2006/10/31

理想の恋人.com

監督:ゲイリー・デヴィッド・ゴールドバーグ
出演:ダイアン・レイン/ジョン・キューザック/クリストファー・プラマー/ストッカード・チャニング/ダーモット・マルロニー

30点満点中15点=監3/話3/出3/芸3/技3

【傷心の彼女と彼。ネットで見つけた新しい恋の行方は?】
 夫の浮気が原因で離婚したばかりの保母サラだったが、早くも園児の父親ボビーといい雰囲気に。さらに、おせっかいな姉が出会い系サイトにサラの情報を登録したことからデート三昧の日々。しかし、相手は変人ばかり、ボビーの浮気も気がかりだ。そんな時、サイトを通じて出会ったのはやはり妻に捨てられたばかりのジェイク。ふたりは親密になりつつあったが、間の悪いハプニングがいくつも重なってすれ違いの関係に……。
(2005年 アメリカ)

【悪くはないんだけれど、気軽に楽しめない】
 愛のやり取りへと至る過程、というか、間の悪さを乗り越えたところに恋愛はある、ということを描いた映画。
 出会ってスンナリ成就する恋なんて、そうそうないんだよね。タイミングとか、たがいの性格とか、おせっかいな周囲とか、他人の思惑とか、いろんなことがカセになる。

 そういう意味では、さまざまなアクシデント、ゲイのカップル、年をごまかして出会い系サイトに登録する人とその遭遇……など、それなりにテーマを考えさせるファクターを散らしてあって、悪い映画じゃないと思う。
 映画の原題は『MUST LOVE DOGS』。犬好きな人っていうのは確かに人物を見極めるための尺度として機能するのかも知れないけれど、むしろ人間と犬との間にある「人間が一方的にコミュニケーションを取れているように思い込んでいる」という関係を考えさせる。なるほど人間どうしだってそんなものかもね、なんて思いを巡らせたりして。

 が、コメディなのに絵が暗くてテンポも中途半端で空気も重いのが難点。なんだか文芸作品のノリ。その「作りの硬さ」が足を引っ張って、気軽に楽しめないものになってしまっている。
 この手の映画って、あれやこれや考えなくてもキャハハと見られる(その中で、ハッと人生の真理に気づく)雰囲気作りを徹底しなきゃならないのに。
 タイトルはイマ風だけど、中身はちょっとカビ臭い映画だ。

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