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2007/01/10

10ミニッツ・アフター

監督:デヴィッド・ヴァン・エッセン
出演:ショーン・アスティン/イワナ・ミルセヴィッチ/ヴィニー・ジョーンズ

30点満点中15点=監3/話3/出2/芸3/技4

【10分前に戻れるタイムマシンは、何をもたらすか】
 窓口の女性を口説くために銀行へとやってきた物理学者スチュワート・コンウェイ。押し入ってきた強盗団に撃たれてしまった彼は、手にした装置を起動させる。それは10分前へと時間を戻すことができるという、スチュワート自らが発明した携帯端末型タイムマシンだった。スチュワートの尾行中に事件に遭遇したFBI捜査官のサラや、装置の存在を知った強盗団の首領ブリッグスらを巻き込んで、事態は思わぬ方向へと転がり始める。
(2005年 アメリカ)

【ユニークなアイディアを生かし切れなかった作品】
 一応は、興味深く最後まで観ることができる。うん、面白いというよりも興味深いという表現がピッタリくる。
 その興味深さの源となっているのが「わずか10分前に戻れる」という設定。装置に触っていた人だけが時間の逆行を意識できるというのも、それっぽくていい。

 ただ、そうしたアイディア、興味深さを、お話としての楽しさ、映画としての面白さに転化できなかったのが痛い。“10分前”という制限がストーリーの意外な展開へと生かされる場面は多くない(というか、10分以上前に死んだ人を蘇らせることはできない、という事実が示されるだけだ)し、タイム・パラドックスに関する描写は、ほぼゼロ。逆行するのはほんの数回だけで、お話が面白くなるようなタイミングでの逆行でもない。しかもクライマックスでは、掟破りの後出しルールが活用される。

 たぶんストーリーを作った人にはSFマインドがないのだろう。作りとしても、ちょっと強引だけれど次から次に予想外の出来事が起こって、なかなか面白い脱出劇もあったりして、スピーディで、画面はクリアかつシャープで、気ぜわしくて安っぽいBGMが鳴り響いて、と、SFよりも犯罪アクションとしての仕上がりが重視されているような雰囲気だ。
 それに、スローモーションだのジャンプカットだのコマ落としだの、通常時間での画面作りに凝りすぎて、「戻る」部分の鮮やかさが薄れてしまっている。そういう意味でもSF<犯罪アクションだ。

 とはいえ犯罪アクションとして上質かというと、そうでもなくて、ごく普通のレベル。ヴィニー・ジョーンズ演じるブリッグスのキャラクターがもっと魅力的なら、ちょっとは面白くなったんだろうけれど。そういえばスチュワートもサラもなんだか中途半端な人物。SFマインドだけじゃなく、どういうキャラクターにどんな役割を背負わせればストーリーが面白くなるか、そのあたりのセンスも持ち合わせていない感じだ。

 面白くなる要素はあるし、決してクソ映画ではないと思うのだが、現時点での評価としては「J2のチームに所属する20歳のミッドフィールダーによるプレー」といったところか。
 要するに「アイディアは面白いんだけれど、それを実行できる技術は君にはないじゃん。観ていて退屈はしないんだけれど、何をやりたいのか自分でもわからなくなって結果としてグダグダになりかけているじゃん」である。

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