ハウス・オブ・ザ・デッド
監督:ウーヴェ・ボル
出演:ジョナサン・チェリー/オナ・グローアー/ウィル・サンダーソン/タイロン・レイツォ/エヌーカ・オークマ/ソーニャ・サロマ/エリー・コーネル/クリント・ハワード/ユルゲン・プロホノフ
30点満点中15点=監4/話2/出3/芸3/技3
【呪われた島、若者たちとゾンビとの格闘】
サンホワン島で開催中のパーティーへと急ぐグレッグ、サイモン、アリシアたち。だが密輸船のカーク船長と助手サリッシュは「あそこは死の島だ」という。到着してみると会場に人影はなく、代わってゾンビどもがウジャウジャと来襲する。ここはセルマーノ神父の呪いに満ちた場所だったのだ。友人のルディーや海上警備隊のキャスパーらと合流した一行は、船の積荷の銃を手に取ってゾンビたちを撃ちまくる。同名ゲームの映画化作品。
(2003年 アメリカ/ドイツ/カナダ )
【安っぽいけれど、不思議と憎めない】
ぐおぅ、ドカーン、ドンドン、パンパン、ぶしゅぅー。とりあえず撃ちまくって逃げまくって殺しまくって殺されまくるヒマツブシ映画。
スピード感はあるが奥行きはないし、迫力はあるがヒネリはないし、血は飛び散るけれど残虐性は少ない。まるでビデオクリップのような絵に、安っぽい音楽と野暮ったいセリフが乗っかり、時おりゲーム画面が挟まれる。
ゾンビは禁を破って走る、跳ぶ、泳ぐ。それに対抗すべくドラッグまみれの若者たちは銃やオノを手に取って超人並みの大活躍。といってもゾンビVSヒトではなくゾンビVS武器というイメージ。最後には和製ホラーコミックのような予定調和のエンディング。
ハッキリとC級である。
けれど、なぜか憎めない。
1つには、何か起こりそうで起きない、何もなさそうで何かある、序盤ではゾンビの姿がハッキリと見えないチラリズム、そうしたホラー映画のセオリーを拙いながらも遵守しようという気持ちが見えるから。
また、ユルゲン・プロホノフをつかまえて「Uボートの船長だ」といってみたり、『ジョーズ』や『LOR』のパロディっぽいところもあったり、もちろんロメロ・ムービーへのリスペクトもちょっぴり込めたり。
A級はおろかB級すらハナっから狙っていない開き直りのようなものもうかがえる。
要するに、ロードショー公開作品としては低予算でプロットもチープでデキとしては決して褒められたものではないけれど、自主制作としてはカネも手間もかかってるし、映画好きのアンちゃんたちが楽しみながら作った雰囲気も見える、という位置。
その手作り感が、憎めないのかも知れない。ま、絶対に他人にはオススメしないけれど。
本家のゾンビはこちら→『ゾンビ/ディレクターズカット完全版』
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