ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密
監督:カーリー・クーリ
出演:サンドラ・ブロック/エレン・バースティン/フィオヌラ・フラナガン/シャーリー・ナイト/マギー・スミス/ジェームズ・ガーナー/アンガス・マクファーデン/チェリー・ジョーンズ/ジャクリーン・マッケンジー/デヴィッド・リー・スミス/レスリー・シルヴァ/アシュレイ・ジャッド
30点満点中16点=監3/話3/出4/芸3/技3
【娘と、母と、その姉妹にまつわるお話】
コナーとの結婚を控える作家のシッダ。しかし彼女は、奔放で気分屋の母ヴィヴィとの間に心の距離があることを悩んでいた。そこへやってきたのは、はるか昔にヴィヴィと“姉妹”の契りを交わした3人の老女、ティーンシーとキャロとニーシー。この『ヤァヤァ・シスターズ』からシッダは、母が幼かったころの出来事、母の哀しい初恋、母とシッダの父シェプとの結婚、ヴィヴィとシッダの間に横たわる誤解という溝について聞かされるのだった。
(2002年 アメリカ)
【世界は女によって作られ、男によって回る】
いくら母親にも同情すべき点があったとか、楽しい想い出もいっぱいあるとかいわれても、ねぇ。肉親だからこそ、“わだかまり”を消すためにはハグや古いアルバム以上の強いサムシングが必要だと思うのだが。
だいたい、ヴィヴィの夢や若いころの奔放さを描き切れていないし、ヴィヴィとシッダとの関係を覆う「軽快さと深刻さのバランス」を上手く処理できていないようにも感じる。だから、作りとしてはちょっと掘り下げ不足かな、と思う。
簡単にいえば、とち狂った母親に悩まされた娘のお話、にとどまっているのだ。
でも、それだけでほっぽり出すのも惜しい。
ずらりと顔をそろえた女優たちの自由で溌剌とした演技、ノリながらお芝居をしている様子によって、多くの登場人物たちが生きた存在として実感できるのが楽しい。そこにポンと放り込まれた男ふたりが、コナーはあたふたと懸命になって、シェプは静かに包み込むことによって、女性たちを支えている姿にもホっとさせられる。
そうした演技&人の姿、イライラと動かされる足やきゅっと上げられる眉なんかをきっちりとうつすことに重きが置かれた、演技主導の映画といえるだろう。
小さいお話で、大仰なことはまったくやっていないんだけれど、安心して登場人物たちの言動を見守ることができる。
これを見れば、世界が女性を中心にまわっていることがよくわかる。女性が何かのキッカケで変わったり変わらなかったり、必要な行動を取ったり取らなかったりすることで歴史が作られていることがよくわかる。
そしてその中で男が果たすべき役割が何であるか、つまり“男が女を愛すること”によってのみ世界は回っていくのだということも。
あと、いつ見てもアシュレイ・ジャッドは年齢不詳だということも。
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