ロボッツ
監督:クリス・ウェッジ/カルロス・サルダーニャ
声の出演:ユアン・マクレガー/ハル・ベリー/メル・ブルックス/ロビン・ウィリアムズ/アマンダ・バインズ/グレッグ・キニア/ジム・ブロードベント/ジェニファー・クーリッジ/ポール・ジアマッティ/ジェームズ・アール・ジョーンズ/スタンリー・トゥッチ/ダイアン・ウィースト/ナターシャ・リオン/スティーヴン・トボロウスキー
30点満点中17点=監4/話2/出4/芸3/技4
【中古のポンコツロボットだって、輝けるんだ!】
中古パーツで組み立てられたロドニーは発明家を夢見るロボット。父さんは音楽の道をあきらめて胴体に皿洗い機を組み込んだけれど、ロドニーは母さんの反対を押し切ってロボットシティへと上京、憧れの科学者がいるビッグウェルド産業をたずねる。が、ビッグウェルド氏は隠遁、会社を牛耳るラチェットは営利追及のためパーツの製造を中止するという。ロドニーは、街でであったフェンダーやパイパーらとともに、ラチェットの横暴と戦う。
(2005年 アメリカ アニメ)
【アニメ的なアニメ、アメリカ的なアニメ】
まぁキャスティングの豪華なこと。この手の映画にロビン・ウィリアムズは不可欠だし、ポール・ジアマッティ、ジム・ブロードベント、グレッグ・キニアあたりも嬉々として演じている感じで、なかなか楽しい。ジェームズ・アール・ジョーンズなんかアレだけなんて、実に贅沢。
声だけだと出演者どうしのスケジュールを合わせる必要はないし、拘束時間も短くてすむから、こういうことが可能なんだな。アニメならでは。
画面にもアニメならではのワクワクがあふれている。仕草や表情のデフォルメとか音楽・効果音と動きのユニークなシンクロは、実写では表現できない部分。いっぽうでリアリティにも気をつかっていて、光の使いかたや奥行きの出しかた、細かな揺れ・慣性などの再現に感心させられる。
ストーリー的には勧善懲悪・予定調和で深みはないんだけれど、登場人物がロボットであることを十分に生かした内容になっているし、ロボットダンスとかトイレのマークとか、「ロボットゆえ」の小さな笑いも散りばめられていて、わかりやすくて誠実な作りといえるだろう。
もともとアニメって子ども向けなんだから、こういうわかりやすさは歓迎したい。
映画はアメリカの重要輸出品目の1つ。特にアニメはワールドワイドに売りやすい商品のはずで、そういう意味でもストレートでわかりやすいストーリーが求められているのだろう。
また、アリにオモチャにモンスターにサカナに動物にクルマ、そしてロボットと、人間以外の生物・非生物を自由自在に動かせるのもアニメの強み。日本や欧州のセルアニメはどちらかというと「アニメでも、こういうストーリーを描けるんだ」&人間主役というスタンスであるのに対し、FOXやディズニーやドリームワークスらアメリカ勢の3DCGアニメは、いわば「アニメだから」を強調する製作方針で、世界のアニメ市場では上手に住み分けがなされているのだな、なんてことを感じてしまった。
というわけでもないのだろうが、本作にはこれでもかとばかりにアメリカ的なものが詰め込まれている。ローラー・ゲーム(インディアン・パーカーを知っている世代には感激ものだわ)にアメプロ、アメコミ・ヒーロー、マイクロソフトに対する揶揄、ブリちゃんにJBにファットスリム。
名画のパロディも『オズの魔法使』や『雨に唄えば』、『スター・ウォーズ』などドッサリ(ビッグウェルドさんがトチ狂ったときの歌なんか、腹を抱えて笑ったもんなぁ)。
こりゃ相当にアメリカ的な映画。というかアニメのカタチをとったアメリカ製品カタログではないか、という勢いだ。
そのベクトルが楽しさにつながっているから、いいんだけれどね。
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