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2007/07/08

真夜中の弥次さん喜多さん

監督:宮藤官九郎
出演:長瀬智也/中村七之助/小池栄子/阿部サダヲ/柄本佑/竹内力/森下愛子/板尾創路/古田新太/清水ゆみ/山口智充/研ナオコ/ARATA/麻生久美子/荒川良々

30点満点中14点=監2/話2/出4/芸3/技3

【ホモの弥次さん喜多さんが、お伊勢さんを目指す】
 ヤク中で借金まみれの喜多さんは「リアルが感じられねぇ」と嘆く日々。その身を案じた友達ならぬホモだちの弥次さんは「あすこへ行けばリアルがあるはず」と、お伊勢参りを提案する。役人を笑わせないと通ることのできない関所、淡い恋、次郎長親分、喜多さんの禁断症状、バーテン、弥次さんの妻・お初殺しの下手人を追う金々&呑々など、さまざまな事件と人々が絡み合って、シュールかつブットビの、男ふたりの道中が繰り広げられる。
(2005年 日本)

【ゆるぅ~い観かたがちょうどいい】
 10分経過。ああこれは、悪ふざけのように巻き散らかされた「余計な要素」を取っ払って芯となっている部分だけを抽出、そこからテーマ性・メッセージ性を読み解くタイプの映画なのかな、と感じる。
 20分経過。いやむしろ、その余計な部分こそが軸となっているのか。ショートコントにも似たゴミのようなエピソードの羅列から、何かをつかみ取る映画なのか。
 30分経過。なぁんだ、真っ当に読もうとかつかみ取ろうとか考えるとバカを見る映画じゃないか。
 そう一応の結論を出して、ぼぉっと観ることにする。それくらいがちょうどいい。

 竹内力も松尾スズキも、いい味出してるなぁ。古田新太と荒川良々はこういう作品には不可欠だよなぁ。森下愛子も清水ゆみも可愛いなぁ。小池栄子に対する世の中の評価って不当に低いよなぁ。麻生久美子ってやっぱ色っぽいよなぁ。
 それくらいの、ゆるぅ~い観かたがちょうどいい

 たとえば“現代舞台劇”に身を置く作者が“古典文学”+“マンガ”という原作を手にして、“アイドル”の長瀬智也と“伝統芸能”の中村七之助を主役に据え、“テレビ”サイズの演出と絵作りで練り上げて、それぞれ単独では成し得ない世界・雰囲気を創出し、バカシュールなフィルムとしてまとめた作品、なぁんていうくくりもできるだろう。

 また『タイガー&ドラゴン』や『吾輩は主婦である』を観る限り、宮藤官九郎は「与えられた場、求められていること」を敏感に察知し、作品内に利口と馬鹿と整合性と破綻と意味のあることとないことを上手に配することのできる人物と思われるから、そのへんを切り口に論ずることも可能だ。

 散りばめられた要素ひとつひとつを拾い上げて、ジェンダーとかゲシュタルトとかメタファーとか、ムツカシイ言葉を使っていろいろと論じることのできる映画だとも思う。

 が、別にそれほどの必要性も感じないし、パワーも時間ももったいない。ゆるぅ~い捉えかたが、ちょうどいい作品。

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