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2007/11/15

トランスポーター2

監督:ルイ・レテリエ
出演:ジェイソン・ステイサム/アレッサンドロ・ガスマン/アンバー・ヴァレッタ/ケイト・ノタ/マシュー・モディン/ジェイソン・フレミング/ハンター・クラリー/フランソワ・ベルレアン

30点満点中18点=監4/話4/出4/芸3/技3

【その子どもを守ることが、彼の使命】
 時間厳守と確実な任務遂行。裏社会では名の通った運び屋フランクだが、いまはマイアミで、米政府麻薬担当官ブレナマンの息子ジャックを小学校まで送迎するという安全な仕事に就いていた。ところがある日、ジャックが何者かに誘拐され、共犯の嫌疑をかけられるフランク。彼はこの事件が単なる身代金目的ではないことを嗅ぎ取り、ジャックの母オードリーや昔なじみのフランス人警部タルコニらの協力を得て少年の救出に向かうのだった。
(2005年 フランス/アメリカ)

【なぁんも考えずに楽しめるエンターテインメント】
 命知らずで強くて速い。フランクがどんな人物かを描き切るオープニングからラストカットまで、息をもつかせぬスピードで突っ走る。いやもうね、退屈なんかしてるヒマなんてないっすよ。

 素晴らしいのは、語りすぎず説明しすぎず「見ればわかる」という作りになっている点。きっちり登場人物に会話させるところはあるけれど、字幕ナシでも何となく理解できるくらい物語はシンプル。その単純さを味方につけてアクションに注力、つまり「お話としてではなく、映画として、どう面白く見せるか」に意識が割かれているのだ。

 たとえばフランクと悪党との追いかけっこ。ただの「逃げる&追う」になってはおらず、その合間にどんなアクションを盛り込めば観客にワクワクハラハラを与えられるかを第一義として仕上げられている。この映画、まさにそこ=ワクワクハラハラを楽しみに観る人が大多数であるはずで、そういう観客に対してのきわめて正しい返礼といえるだろう。舞台を常に立体的に捉えるカメラワークもいい。

 カットのつなぎに乱暴なところ(フランクを右から見たカットと左から見たカットで、つながりが変)もあるし、奥行きとかワビサビなんかほとんどないんだけれど、一瞬たりともグダグダ感を漂わせず、観客を1時間半引っ張り続け、コミックや香港映画の遺伝子も感じさせる、優れたエンターテインメントである。

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