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2007/11/05

地上より永遠に

監督:フレッド・ジンネマン
出演:バート・ランカスター/モンゴメリー・クリフト/デボラ・カー/フランク・シナトラ/ドナ・リード/フィリップ・オーバー/アーネスト・ボーグナイン/ジャック・ウォーデン

30点満点中16点=監3/話3/出4/芸3/技3

【開戦前夜、米軍キャンプでの日々】
 1941年のハワイ。プルーイットは、上官に反抗して降格・異動を強いられる。新しい隊の指揮官ホームズは、プルーイットをボクシング部に入部させて来たる大会での優勝を目論むものの、プルーイットは友人を失明させたことが原因でボクシングをきっぱりとやめていた。快く思わないホームズによって陰湿なイジメを受けるプルーイット。そんな彼をかばう副官ウォーデン曹長だったが、彼はホームズの妻カレンとの逢瀬を重ねていた。
(1953年 アメリカ)

【上手に作られてはいるが、楽しくはない】
 さすがに50年代の作品、台詞まわしも、それを翻訳した字幕も前時代的。いま見るのは、ちょっとツライ。
 しかも「お前(曹長)、人の女房を寝取っておいて、その言い草はねーだろう」とか、現代に暮らす日本人からするとツッコミどころも多くて感情移入はしにくい。ラストの空襲場面に迫力があるほかは、映画的な見どころも少ないといえる。

 ただ「芯のある映画だな」という印象は受けた。1つには、わかりやすい展開が理由。みんなウジウジとしているうえに持っている価値観も若く、周囲に翻弄されるというか、思った通りに生きられていない、それでもそれなりに一所懸命、という切なさを抱えている。そんな“ありのままの生”が戦争によってゼロに帰してしまう理不尽さ。
 それぞれに未来はあるはずなのに、どこか閉塞的で、遂には完全に閉じてしまうというテーマ/ストーリーの流れが、上手くわかりやすく作られている。

 その閉じた空気を醸し出すのに、キャスティングも貢献。立ち姿は凛々しいのに人としての矮小さも感じさせるバート・ランカスターの曹長、若さゆえの熱さを持つモンゴメリー・クリフト、もうイヤぁな上官にしか見えないフィリップ・オーバー、自分が何者なのかをつかめないドナ・リード、何者にもなれなかったデボラ・カー、そして飄々としつつも恐らくは諦観に付きまとわれていたであろうフランク・シナトラ。各人が己の役柄にふさわしい体臭を放ち、芝居をまっとうしていたように思う。

 1953年のオスカー受賞作。同年の作品には『ローマの休日』『第十七捕虜収容所』『宇宙戦争』などがあって、なるほどこの中では本作が作品賞にふさわしい風格やテーマ性を備えているのは確かかも知れない。が、映画本来の楽しさや物語としての面白さという点では、名前をあげた3作品のほうが上ではないだろうか。

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