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2008/02/05

ロンゲスト・ヤード

監督:ピーター・シーガル
出演:アダム・サンドラー/クリス・ロック/ジェームズ・クロムウェル/ネリー/ウィリアム・フィクトナー/マイケル・アーヴィン/ビル・ゴールドバーグ/テリー・クルーズ/ボブ・サップ/ニコラス・タトゥーロ/ジョーイ・ココ・ディアス/デヴィッド・パトリック・ケリー/ケヴィン・ナッシュ/スティーヴ・オースティン/コートニー・コックス/バート・レイノルズ

30点満点中17点=監4/話3/出4/芸3/技3

【囚人vs看守、注目の試合が始まる】
 八百長疑惑でアメフト界を追われたクォーターバック、ポール・クルー。飲酒運転でテキサスの刑務所に収監された彼は、看守によるアメフト・チームを強化したいとヘイズン刑務所長に命じられる。囚人チームを作り、わざと負けて看守チームに自信をつけさせるのだ。看守長クノールらの嫌がらせに耐え、ハインズマン・トロフィー受賞者のネイトや囚人の面倒見役ケアテイカーらの協力を得てチーム作りを開始したクルーだが……。
(2005年 アメリカ)

【軽さに徹したストレートな映画】
 70年代にロバート・アルドリッチ監督&バート・レイノルズ主演で作られた作品のリメイク。制作にMTVが噛んでいる。
 そんなわけで、ポップな画面や、エミネム、JET、AC/DC、レッチリと散りばめられたハヤリ系音楽が特徴。全体に軽快だ。

 ここでいう軽快とは、つまり奥深さはないということ。一応は、クルーが本当に八百長に関わったのかどうかという点やクノールの葛藤など味付け要素はあるのだけれど、そのあたりはサラっとすませて、ひたすら囚人チームのキャラクター&チームに加わる経緯、彼らの練習と試合における奮闘ぶりをテンポよく描くことに徹している。「あいつには恨みがあるのでタックルでドンっ!」といったことを、わかりやすぅくストレートにつなぎながら物語は進むわけだ。

 面白いのは、練習や試合シーンにおけるスローモーションの多用が、展開の遅さではなく逆に軽さを生み出すモトとなっていること。本来ならリアルタイムで肉弾戦の激しさやスピードを描き出すべきなのだろうが、そうしたリアリズムを捨てて“作り物っぽさ”を前面に出すことで、いい具合に軽く仕上がっているように感じた。
 ただし、投げられるパス、怒涛のラン、重量級のタックルなどは本格的。パスからキャッチまでをちゃんと1カットに収めて(2カットに割っちゃうと完全なウソになっちゃうもんね)、必要以上に“作り物っぽさ”だけが突出しないような配慮も見られた。

 それにしても、豪華っていうか、嬉しくなるメンバーだなぁ。バート・レイノルズをフィーチャーしてオリジナル(観たはずなんだけれど、これっぽっちも覚えていない。やっぱり軽かったのかな)にリスペクトを示すのは当然のこと。さらにビル・ゴールドバーグがイタズラっぽく囚人の演技をしているんですよ。ケヴィン・ナッシュが笑いを取るんですよ。ストーンコールドがイヤミったらしく凄むんですよ。ボブ・サップは演技できないことを逆手にとってコント・キャラに仕上げられているんですよ。
 アダム・サンドラーも、これら猛獣の調教役というか、彼らが暴れる舞台を整える役を控えめにまっとうしている。

 軽さといいキャスティングといい、なんも考えずアメプロ好き男子中学生の気分でヘラヘラと観るにはちょうどいい仕上がりである。

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