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2008/02/02

ラッキーナンバー7

監督:ポール・マクギガン
出演:ジョシュ・ハートネット/ブルース・ウィリス/ルーシー・リュー/モーガン・フリーマン/ベン・キングスレー/マイケル・ルーベンフェルド/スタンリー・トゥッチ/ダニー・アイエロ

30点満点中18点=監4/話3/出4/芸4/技3

【ふたりのマフィアに間違えられた男】
 多額の借金を抱える男ニックと間違えられて、マフィアの“ボス”に呼び出されたスレヴン。身に覚えのない借金を帳消しにする代わりに、敵対関係にある“ラビ”の息子を殺すよう強要される。いっぽうラビもまた彼をニックと呼び、3万ドルを返せと迫る。本物のニックの隣人リンジーとともに事態の打開を図ろうとするスレヴンと、彼を監視する刑事ブリコウスキー。だがこの出来事の裏には、殺し屋グッドキャットの暗躍があるのだった。
(2006年 アメリカ/ドイツ)

【細部もセンスもいい。でも惜しいっ】
 冒頭、車イスに乗ったグッドキャットと旅行客の“カンザスシティ・シャッフル”に関する会話、それに続くアクションが、上手にカメラワークを使っていて実にハイセンス。
 その後もスピーディでミステリアス、一瞬先を予感させぬ展開。まぁ実際は途中でおおよそのことを読めてしまうのだが、さまざまな謎がキュっと収束して納得の位置へと着地する構成は見事といえるだろう。
 不幸は3つ続けて起こる、というスレヴンの言葉通り、彼は3度腹を殴られる。そういうウィットも効いているし、ちょっとズレた会話も、なんだかウォーレン・マーフィあたりのユーモア・ハードボイルドのノリで楽しい。

 ただし、クライマックス、種明かしを述懐に頼りすぎたのは痛い。僕ら観客としてはすでに、たとえば『ユージュアル・サスペクツ』で「目の前にある事実がガタガタと崩れて真実が浮かび上がってくることの衝撃」という洗礼を、とてつもなく鮮やかなカタチで受けているわけで、本作にももうひと工夫が欲しかったところ。せっかくそれまでは映画的な面白さに満ちた作品なのだから。

 そう。映画的。ジャンプカットやフラッシュ、オーバーラップなどを用いた独特の編集でスタイリッシュに見せ切る各シーン。それらシーンは、電話やグラスなど小道具をたくみに利用して次のシーンへと移行する。
 めくるめく壁紙と床の模様、白く無機質な空間に浮かぶ青いイス、スレヴンの浪人生風アーガイル・セーターなど、幾何学的なイメージに配慮したプロダクション・デザインもユニーク。
 すべてが、観て楽しいものになっている。だからこそなおさら、クライマックスも「観るだけでわかる」というものにして欲しかったのだ。

 キャストは上々。ジョシュは相変わらず正体不明でこの役にはピッタリだと思うし、ブルース・ウィリスは抑えて抑えての好演。モーガン・フリーマンもベン・キングスレーも、情けない感じがちょびっとにじみ出ているのが小悪党っぽくていい。
 ルーシー・リューもコケティッシュかつチャーミング。いや、ビックリするくらい可愛いんだわ。これまでの出演作の流れからいうと、実は彼女が事件の鍵を握る存在かも、なんて思ってしまうわけだが、そういう意味でもドンデン返しモノである本作には絶妙のキャスティングとなっている。

 と、細かな部分やスタイリッシュな語り口にはいいものをたくさん持っていて、だからこそなおさら目で見てわかって、かつ「えっ!」「おおっ!」と畳みかけてくるようなクライマックスが欲しかったなぁ。

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