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2008/09/21

ハリウッド・スター・コレクション

【戦士、青年、将校の苦悩】
 南イラクの砂漠に取り残された米兵コックスは、敵兵モハナンと対峙しながら廃墟と化した穴で一夜を過ごすことになる……「Contact」/母に連れられて出席したパーティーで、イケてない青年リッチはさまざまな男女と出会うが……「Duke of Groove」/ユダヤ人をガス室へ送り続けるナチの若き将校。だが、ひとりの少年の視線が彼をたじろがせる……「The Witness」
意外なスターが出演している短編3本を集めたオムニバス。

30点満点中17点=監4/話3/出4/芸3/技3(3作の平均)

【2つの優れた反戦フィルムと、あと1本】
 1本目の「Contact」は以前に別のオムニバス・ビデオで観たことがあって、その鮮烈な印象を思い出すべく再編集版を鑑賞。

●Contact(1992年 アメリカ)
監督:ジョナサン・ダービー
出演:ブラッド・ピット/イライアス・コティーズ

 さすがに1回目ほどの感動はなかったが、それでもよく出来ている作品であることは確か。いいフィルムに、過度なセリフも、まわりくどくゴチャゴチャした展開など不要なのだ。
 本来なら、モハナンが持っている写真などをもっとふくらませて長編にすべき題材かも知れないが、逆に短編だからこそ緊迫感あふれるクライマックスへ一気に持っていけたとも考えられる。そういう意味で、まずまず練られた仕上がり。
 ポイントは、意外とカメラかも。全編、寄るべきところでもあまり寄らずにふたりの兵士との距離感を“ほどほど”に保つ。そのぶん「フツー」の見た目なのだが、ラストのあのカットをグっと際立たせることになる。
 モハナンが吐く唯一の英語「撃っときゃよかった」が、逆説的に、誰も戦争なんてしたくないというメッセージを浮かび上がらせる、すぐれた反戦映画だともいえる。18点。

●Duke of Groove(1996年 アメリカ)
監督:グリフィン・ダン
出演:トビー・マグワイア/ケイト・キャプショー/キーファー・サザーランド/ユマ・サーマン/エリオット・グールド

 子どもの知らないところで世界は回っている。でも子どもだって、自分の中に1つの世界を作り上げていく、ということを、ゆるぅく描いた作品。こちらも長編向きの題材だが、まぁこのまんま長編にしたって退屈で死にそうになるだろう。
 モラトリアムならではの心の中のウダウダをキレイに仕上げた作品として捉えると、たとえば『終わりで始まりの4日間』のほうが800倍くらい強く心に響いてくるわけで。
 出演陣はやたらと豪華だが、ただそれだけ。15点。

●The Witness(1992年 アメリカ)
監督:クリス・ジェロルモ
出演:ゲイリー・シニーズ/イライジャ・ウッド/アーロン・フリーマン

 もうゲイリー・シニーズとイライジャ・ウッド(見終わるまで気づかなかったけど)の“顔力”だけで作っちゃった作品。スケールとか映像的細やかさなどはある程度犠牲にして、そのぶん、ふたりの表情と演技を素直に撮ることに努めている。
 セリフも説明も一切なし、という作りに拍手。それでもいいたいことをちゃんと伝えられるんだから、やっぱり映画のパワーってのは大きいのだと改めて感じさせられる。
 そう、人間の犯した罪は説明がいらないほど愚かなものばかりで、その罪によって生まれる苦しみも、言葉にできないものなのだ。18点。

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