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2008/09/08

ダイ・ハード4.0

監督:レン・ワイズマン
出演:ブルース・ウィリス/ジャスティン・ロング/ティモシー・オリファント/マギー・Q/クリフ・カーティス/メアリー・エリザベス・ウィンステッド/ジョナサン・サドウスキー/ケヴィン・スミス/アンドリュー・フリードマン

30点満点中18点=監4/話4/出3/芸3/技4

【サイバー・テロvs不死身の刑事】
 何者かが、FBIサイバー保安課の利用するネットワーク・システムをハッキング、交通、金融、ライフライン……、あらゆる都市機能が麻痺してしまう。混乱のさなか、若いハッカーのマット・ファレルを参考人として護送する役を押しつけられたのは、NY市警のジョン・マクレーン。だがふたりは突如として武装集団に襲われる。マクレーンはファレルから知識を引き出しながら、犯行グループに立ち向かっていくことになるのだった。
(2007年 アメリカ/イギリス)

【傷もあるけれど十分に楽しい、真っ当な続編】
 いやもう『ダイ・ハード』はやっぱり『ダイ・ハード』だった、というしかありませんな。
 巻き込まれるマクレーン、次から次へと訪れる“あり得へん”、そのたびに生き残り、最後は相手が誰であろうと何人だろうと肉弾戦で完全勝利、そして救急車のお世話になる。
 このフォーマットこそが『ダイ・ハード』。国家規模の大混乱なのにそのスケールが出ていないとか、交通網が麻痺しているはずなのに主要登場人物たちだけがスムーズに移動できたりとか、そういうリアリティのなさを吹き飛ばす楽しさがあればそれでいいのだ。何でもアリ、おおいに結構。

 またシリーズ共通の撮りかたである「おいマクレーン大丈夫かと声をかけたくなる距離感」を踏襲してハチャメチャの連続に観る者を引き込んでくれるし、マンホールから吹き上がる水とかエレベーター・シャフトの見下ろし構図とか、シリーズ過去作で観た光景を盛り込んだりしてファン・サービスも十分。
 飛ぶヘリの背景でちゃんと事故が起こっていたり、色合いをベタっギラっという感じに調整してマクレーンの漢(おとこ)っぽさを強調したりなど、作りの細かさも気が利いている。
 ついでにマギー・Qもメアリー・エリザベス・ウィンステッドも、前に観たときよりキレイになってるのが嬉しい。

 初登板となったレン・ワイズマンは、しっかりと自分の役目を果たしたといえるのではないだろうか。

 欠点も、この“何でもアリ”感、展開の粗さの中にある。
 戦闘機まで持ち出してきたのはまぁご愛嬌としても、“ピンチを乗り切る方法”についてはもうちょっと説得力が欲しかったところ。たとえぱパート1の「ホールドアップしながら姿を現すマクレーン」とかパート3の「エレベーター内+警官バッジ」のシーンのように、1つの「!」から一気に事態が動くスリルには欠けていた。
 今回は、キーボードとPDAをつなければなんでもできちゃう、という設定に頼りすぎた感がある。デジタルとクルマと行き当たりばったりでモノゴトに当たるだけじゃなく、アナログだけれど意外性も妥当性もある「あ、そうきたか!」的な方法論で悪党をやっつけて欲しかったものだ。

 また、「結局は人と人との信頼関係がモノをいう」というシリーズ共通のテーマも、もっと掘り下げられたはず。
 せっかく序盤に「ここにいろ」という命令に従うしかないマットの姿をいっぱい詰め込んであるんだから、それに歯向かって英雄になろうとする場面はもう少し盛り上げてやってもよかった。マクレーンに協力することになるワーロックや娘の行動にも、説得力を付与すべきだったろう。

 とはいえこれらは、思った以上によくできていたからこその不満。ジェットコースター気分の2時間は、決して悪いものじゃない。
 それにしても、ビル、空港、街、そして国家とスケールアップして、次は地球規模のテロにするしかないじゃん、そこまでいくとさすがにやりすぎだろう、と心配。いっそマクレーンを田舎町に赴任させてちっちゃい範囲でドンパチやらせたほうが、ここで述べた不満点も解消されて引き締まったものになるんじゃないか、とも思う。
 そういう「次回作へのワクワク」を喚起する点においても、よくできたシリーズ最新作ではなかろうか。

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