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2009/02/06

サンシャイン2057

監督:ダニー・ボイル
出演:ローズ・バーン/クリフ・カーティス/クリス・エヴァンス/トロイ・ギャリティ/キリアン・マーフィ/真田広之/ベネディクト・ウォン/ミシェル・ヨー/マーク・ストロング/チーポ・チュン(声)

30点満点中18点=監4/話3/出4/芸3/技4

【人類を救うため、太陽へと向かう船】
 死滅が近づく太陽に巨大な核爆弾を打ち込み、復活を促す……。危険な任務を帯びた宇宙船イカロス2号と8人のクルーが水星の軌道に達したとき、彼らはある通信を傍受する。それは7年前に同じミッションへと挑み、消息を絶っていたイカロス1号からの救難信号だった。1号に積まれた核爆弾を入手してミッションの成功率を高めようと、軌道を変えるイカロス2号。だがその進路には数々のアクシデントが待っていた。
(2007年 イギリス/アメリカ)

【新鮮味はないが、この内向的・内省的な空気は好き】
 回り道をすることでどれくらいリスクが高まるのか? 船内の重力はどのようにして生み出されているのか? 科学的なクエスチョンはいくつかあるけれど、全体としては「細かな仕組みや考証はわからなくても、なんとなくそれっぽい」と納得できる内容にまとめられている。
 たとえばメインフレームの冷却用液体についてグダグダ説明せず、「ここに身体を浸けたら危険なんだな」と“見ればわかる”よう仕上げたり。そうしたスマートさには好感が持てる。

 それに、『2001年宇宙の旅』や『エイリアン』、その他1970年代のSFを多分に意識した作りも、なかなかに楽しい。
 アクシデントの連続に対し、あくまで“英雄的行動”で対処する昨今のSFパニックとは違い、いやもちろんアクションは起こすのだけれど、むしろ内向的・内省的な空気を強く作り出して、ジワリジワリと閉塞環境における緊迫感を煽っていくのだ。

 役者たちも、ひたすら焦り、けれどプロフェッショナルとしての意識も高く持っていて、どこか醒めた部分もある、というクルーたちを好演。特にローズ・バーンは、スッピンで疲れ気味の顔が実に可愛いので、こういう使われかたには大賛成だ。

 そうしてストーリー展開と演技が生むジリジリ感は、多用される広角レンズと寄り気味の絵、狭いところへ潜り込むようなカメラワーク、画面に入り込んでくる多種多彩な光、無機質なBGMやSE、冷淡なイカロスの声といったもろもろで、さらに高められていく。

 逆にいえば、ある種、懐古的で新鮮味のない、ただ「太陽に突っ込んでいく人々」というアイディアをそれらしく描いただけの映画でもあるわけで、いまさら感は否めない。後半部がすっかり恐怖映画になってしまったのもいただけない。
 だが、破滅志向の強いダニー・ボイルがその自己破滅のベクトルを人類救済へ向けたという驚きはあり、ただのドンパチドタバタだけじゃない肌合いも味わえて、嫌いじゃない映画だ。

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