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2009/02/11

300 <スリーハンドレッド>

監督:ザック・スナイダー
出演:ジェラルド・バトラー/レナ・ヘディ/ドミニク・ウェスト/デヴィッド・ウェンハム/ヴィンセント・リーガン/マイケル・ファスベンダー/トム・ウィズダム/アンドリュー・プレヴィン/アンドリュー・ティアナン/ロドリゴ・サントロ

30点満点中16点=監3/話2/出3/芸4/技4

【300人vs100万人。絶望的な決戦に挑む勇者たち】
 勇猛な戦士を輩出し、結束力が固いことでも知られるギリシアの都市国家スパルタ。レオニダス王は服従を迫るペルシア帝国からの使者を殺害、徹底抗戦を誓う。託宣により戦争を禁じられたレオニダスだったが、300人の屈強な兵士を“護衛”に、“散歩”と称して北へ。100万ともいわれるペルシアの大軍が進めぬ狭い谷間を利用した戦いに挑もうというのだ。いっぽうスパルタでは、援軍を送るよう王妃が評議会に掛け合うのだが……。
(2006年 アメリカ)

【世界観はいいが、素材を生かし切れず】
 まぁ『ドーン・オブ・ザ・デッド』の監督に過度の期待を抱くべきではないっていうことか。

 いや、ダメダメではないのだ。
 ゴールドとシルバーとレッドを基調とした色使い、解像度と露出とを自在にコントロールしたシャープなCG画面、動作ひとつひとつにいちいち入る大仰なSEなどが作り出す、強烈な違和感。その微妙な空気が、一気に観客を古代ギリシアへと引っ張っていく。
 そこで躍動する屈強かつイケメンの戦士たちも、ハマリ役といえるジェラルド・バトラーを筆頭に、みな生き生きと動く。不死の軍団をはじめとするペルシアの兵士たちも、『ベルセルク』や『北斗の拳』を髣髴とさせるキッチュぶりが実に爽快だ。

 が、どうも素材を生かし切れていない印象が強い。
 たとえば兵士ひとりひとりにもっと強い個性を与え、描写に時間も割いていれば、観る側の感情移入度もより高まったはず。せっかくこれだけの素材を揃えてながら、なんとももったいない。
 また独特の画面作りが「ドーム世界の中での出来事」というイメージを抱かせて、スパルタの規模や戦場の広がり感が伝わらない絵になっている。

 決定的なミスは、スローモーションを多用しすぎたこと。とにかくやたらめったら戦闘のさなかにスローが挟まれる。“動き”の凄さを余さず伝えようという意図はわかるが、本当の凄さは“ナマの動き”でダイナミックに表現すべきもの。特に肉弾戦では、もっとリアルタイム性を大切にした見せかたを試みるのが正解ではないだろうか。
 せっかく個々のアクションには迫力もスピード感もあるのに、その魅力がスローによって削がれ、しかも戦いを横から捉えたアングルが大半を占めるためリズムが単調にもなっている。

 売りであるはずの漢(男)の生きざまとバトルの部分で、ちょっと方向性を間違ったというか、安直な手法に走ってしまった感の残る作品である。

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