ナンバー23
監督:ジョエル・シューマカー
出演:ジム・キャリー/ヴァージニア・マドセン/ローガン・ラーマン/ダニー・ヒューストン/リン・コリンズ/ローナ・ミトラ/ミシェル・アーサー/マーク・ペルグリノ/ポール・ブッチャー/デイヴィッド・スティフェル/エド・ローター/パトリシア・ベルチャー
30点満点中16点=監4/話2/出3/芸3/技4
【謎の数字が迫ってくる。それは、23。】
12月23日以来、動物管理局に勤めるウォルターは不運続きだった。誕生日の2月3日にも犬に噛まれて怪我を負う。そんな折、妻アガサから贈られた本『ナンバー23』を読み始めた彼は、物語の主人公フィンガリングの境遇が自分と酷似していることに気づく。アガサや息子ロビンの心配をよそに、本へとのめり込むウォルター。やがて「本の著者は、15年前に起きた殺人事件の真犯人ではないか?」と推理した彼だったが……。
(2007年 アメリカ)
【観やすいけれど、衝撃度は不足】
なるほど、どこにでも「23」という数字は転がっている。実をいうとわが家の電話番号も、自分の生まれ年も、足せば23である。
そういう不思議な数字に取り憑かれた男の、狂気の物語。
ストーリー的には一応きっちりとケリをつけてあるのだが、不親切というか、こういうオチへと導く“ヒント”や“伏線”となるべき描写・事実は不足しているだろう。
ましてやアレとかソレとか(ネタバレを避けるために伏せるけれど)を観た後では「いまさら何やってんだか……」感の強いお話。「あっ、そういうことか!」に至らず、「ふ~ん」止まりだ。
カンのいい息子を登場させた(ジム・キャリーも、こういう年の息子がいる役を演じる年になりましたか)点は、この手の映画としては新機軸だと思うが、ならばもっと「家族」というものを前面に押し出してもよかったのではないか。そういう要素(父と子)を多分に含んだ物語でもあるのだし。
ただ、シューマカーは自分の仕事を完遂。デジタル処理をふんだんに使って空想パートをことさらファンタジックに仕上げたり、黒と赤のコントラストだけで1画面を提示したり、なかなかに意欲的な絵作りだ。
テンポもいいし、スピード感もあるし、観やすい映画にしてくれている。
とはいえ、狙ったはずの「衝撃度」の点で物足りない作品であることは確か。製作は『11:14』や『エミリー・ローズ』といった快作を送り出したボー・フリンとトリップ・ヴィンソンだが、今回はちょっとスカされた印象が残った。
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