SAW 4
監督:ダーレン・リン・バウズマン
出演:トビン・ベル/コスタス・マンディロア/スコット・パターソン/ベッツィ・ラッセル/リリク・ベント/アシーナ・カーカニス/ジャスティン・ルイス/サイモン・レイノルズ/アンガス・マクファーデン/シャウニー・スミス/バハー・スーメク/ディナ・メイヤー/マイク・リアルバ/ドニー・ウォールバーグ
30点満点中16点=監4/話2/出3/芸4/技3
【新たなゲームが始まる】
ジグソウ死す。遺体の胃袋からはカセットテープが発見され、ホフマン刑事は「ゲームはまだ終わっていない」との声を聴く。そしてホフマンも捕らえられ、エリック刑事とともにゲームの被害者になろうとしていた。部下を何人も殺されたSWAT隊長のリッグも自宅で拉致され、新たなゲームの被験者となる。FBI捜査官のストラムとペレーズは、リッグの足跡を追いながら新ジグソウへと迫る。果たして、誰が何を仕掛けようとしているのか。
(2006年 アメリカ)
【ある意味、集大成】
構成的には『2』をさらにふくらませたようなイメージだ。
絶体絶命のエリックが死ねばホフマンも死ぬという状況。ふたりを助けるためのゲームに挑みながら、次々と犠牲者を増やしてしまうリッグ。ジグソウの協力者を追跡するストラム。そしてジグソウの過去。4つの場面をカットバックで描きながら、ラスト=1つの場所/状況へと収束させていく。
まぁ、捜査官としてあくまで「捜査」に徹するストラム以外は行動の動機が薄く、仕掛けの仰々しさも含めてリアリティを欠く展開なのだが、1点収束という“作り”が緊迫感を生み、本作の面白さとなっているのは確か。各場面をつなぐシーン遷移の処理もユニークだ。
それと、オープニングでは色調を落として血の赤を引き立たせ、グロが強調された『3』に近い空気で「またそっち系かよ」と思わせておきながら、以降は『1』に近い真相探しゲームへと転じているのも面白い。
まだ人間だった頃のジグソウの姿をたっぷりと描き、トビン・ベルの「感情を表に出す」演技に大きな時間を割いたことにも拍手。さながら『ジグソウ ビギニング』とでもいえる趣で、なかなかに興味深い。
つまりは、3作目までの「積み立て」を凝縮、あらためて提示したような作品。
そのぶん集大成的、ある意味ではファンに嬉しい内容ではあるが、観かたを変えればしっちゃかめっちゃか。過去作の登場人物や成り行きを把握していないと、これって誰だっけ? このときどうなったんだっけ? と混乱必至だ。もうジクソウが医者だったのか建築家だったのかわからんし。
そんなわけで、4作ぶっ続けで観るのが正解。あ、『5』も作られたってか。体力を要するシリーズだな。
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