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2009/06/02

レインディア・ゲーム

監督:ジョン・フランケンハイマー
出演:ベン・アフレック/シャーリーズ・セロン/ゲイリー・シニーズ/デニス・ファリナ/ジェームズ・フレイン/クラレンス・ウィリアムズ三世/ドナル・ローグ/ダニー・トレホ/アイザック・ヘイズ/ダナ・スタッブルフィールド

30点満点中18点=監4/話4/出4/芸3/技3

【間違えられた男】
 クリスマス・シーズン、仮出所の日を迎えた自動車泥棒のルディ。同房だった殺人犯ニックが刑務所内で刺されたため、ルディは彼になりすまし、ニックの文通相手である美しい女性アシュリーと会う。すぐさま恋に落ちるふたり。そこへアシュリーの兄ガブリエルが登場。表向きはトラックの運転手だが裏では武器の密売にも手を染めているというガブリエルは、ルディをニックだと思い込み、ある計画に協力するよう強いるのだった。
(2000年 アメリカ)

★ネタバレを含みます★

【適度に上手さを感じられる映画】
 サンタ人形、自動車泥棒の過去、雪深いクリスマス……といった小道具や状況を上手に生かしながら、ストーリーを軽快に進めていく。
 言葉遊びも多く、原題『REINDEER GAMES』も「ごまかし」「騙しあい」を意味するスラングのようだ。REINDEERはトナカイ。赤鼻のルドルフが仲間のトナカイたちに囲まれて笑いものにされている様子が浮かぶ。
 主人公ルディはルドルフ、同房のニックはニコラス(セント・ニコラス、すなわちサンタクロース)、ガブリエルは大天使と、クリスマス・シーズンをもじったネーミングだという指摘もある。

 つまり、明らかに“まず脚本ありき”、ストーリーの面白さで引っ張っていくタイプの映画。都合のよさと強引さがあり、クライマックスでベラベラっと事件のウラを喋ってしまうところもいただけないが、巻き込まれ型のクライム・アクションとしては、展開を二転三転させながらもコンパクトにまとめてあって、まずまずの仕上がりだろう。

 脚本はアーレン・クルーガーで、多くのグリム作品の“もじり”を詰め込んであった『ブラザーズ・グリム』のライター。あっちは映画的にグダグダだったけれど、まぁそれはギリアムのせいであって、今作は期待以上に面白かった同脚本家の『スケルトン・キー』並のデキになっている。

 それには、テンポのいい話をテンポよく進めた演出の力が大きかったのだろう。「あ、この後このふたりは愛しあうんだろうな」と思わせた瞬間に余計な描写を省いてモーテルへと飛ぶなど、シーン遷移が軽やか。雪道を飛ばすガブリエルとアシュリーのクルマ、その運転席の背景がビュンビュン流れていくスピード感にも痺れる。
 また、画面内に立体的に人物たちを配して空間全体を立体的に見せたり、ポンと表情に寄って焦りを拾い上げたりなど、うつしかたも上手い。

 キャストも、なんだか和気藹々と楽しみながら演じている空気が、このライトなクライム・サスペンスの雰囲気にマッチしている。
 特に、相も変わらず丸出し&体当たりのシャーリーズ・セロン。氷の上で助け起こされたときに見せた笑顔がキュートだなと思ったんだが、あれって実はウラのある笑みだったわけか。そういう怖さも含めてチャーミングだ(あと、ニック役のジェームズ・フレインってどこかで見た顔だと思ったら『24』のあの可哀想なポール・レインズだったか)。

 傑作とはいえないけれど、『アフタースクール』あたりに通じる、お話の上手さを適確な演出で見せた、楽しめる映画だとはいえそうだ。

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