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2009/06/21

デス・プルーフ in グラインドハウス

監督:クエンティン・タランティーノ
出演:カート・ラッセル/ゾーイ・ベル/ロザリオ・ドーソン/ヴァネッサ・フェルリト/シドニー・タミーア・ポワチエ/トレイシー・トムズ/ローズ・マッゴーワン/ジョーダン・ラッド/メアリー・エリザベス・ウィンステッド/マイケル・パークス/クエンティン・タランティーノ

30点満点中16点=監4/話2/出3/芸3/技4

【彼女たちに忍び寄る、黒い影】
 テキサス州オースチン。湖畔の別荘を目指してドライブを続けるのは、アーリーン、シャナ、ジャングル・ジュリア。が、女友達だけの夜を過ごそうとする彼女らを、1台の不気味な黒いクルマが追っていた。あるいはテネシー州レバノン。休暇を楽しもうとするゾーイ、アバナシー、キム、リーの姿を隠し撮りする男、そのクルマも黒。彼=スタントマン・マイクはバーでアーリーンたちと接触、ゾーイらの様子を観察し、やがて行動を始める。
(2007年 アメリカ)

【楽しめなくて当然か】
 まぁタランティーノの自己満足以外のナニモノでもないわけで。
 ひたすら会話で押しながら女の子たちのツマラない日常を提示し、そして突然のクライマックス。いかにも低予算を感じさせる「ここにだけカネをかけて、それ以外はテキトーに時間を潰す感じで」という作りだ。

 たぶん“グラインドハウス”って、実際にこうだったんだろう。
 前編と後編、ホントに同じ人物が撮ったの? と思わせるバラバラ具合いもユニークだが、そのズレも恐らくは“グラインドハウス”。
 前編は、フィルムの赤茶けた質感とキズ・トビ、音の割れたサントラ、ズームの多用、サイケデリックな色使いと美術、カットとカットのつなぎに頓着しない編集など、やっつけ感と時代性の再現に気を配る。後編は「おい、それでいいのかよ」という凶暴な展開とシメ。
 これこそが、やっぱりたぶん“グラインドハウス”。
 そういう意味では「はい、よくできました」な作品なのかも知れない。

 日本でいえば深作欣二~千葉真一ラインを再現した、といったところか。しかも「いまの(各国の)観客にも楽しんでもらえる要素」をプラスする意識なんかゼロで。
 そりゃあ楽しめなくても無理はない。

 見どころとしては、やっぱりアクション。前編のクライマックスにおけるぐっちゃぐっちゃのリピートと、後編のカースタントは迫力アリ。予算がなくても身体を張って撮りかたを工夫すれば、これくらいはスピーディでスリルのある絵を作れますよ、ということがわかる。
 あとは女優陣。ロザリオ・ドーソンは美人だし、トレイシー・トムズとローズ・マッゴーワンとメアリー・エリザベス・ウィンステッドは可愛いし、ヴァネッサ・フェルリトの唇にも色気がある。

 まとめれば「よーし、映画を観るぞ」という姿勢は無用な作品。

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