デッド・サイレンス
監督:ジェームズ・ワン
出演:ライアン・クワンテン/アンバー・ヴァレッタ/ドニー・ウォールバーグ/マイケル・フェアマン/ジョーン・ヘニー/ローラ・レーガン/ボブ・ガントン/ジュディス・ロバーツ/ケア・ギルクリスト
30点満点中15点=監3/話2/出3/芸3/技4
【謎の腹話術人形が巻き起こす恐怖】
ジェイミーとリサ、若い夫婦のもとに差出人不明の大きな荷物が送られてきた。中に入っていたのは、腹話術の人形。その夜、ジェイミーの外出中にリサが惨殺され、ジェイミーはリプトン刑事から嫌疑をかけられることに。あの人形の送り主がカギを握っていると考えたジェイミーは、久しく離れていた故郷レイブンズ・フェアへ戻る。そこで聞かされたのは、メアリー・ショウという女性腹話術師にまつわる悲劇だった。
(2007年 アメリカ)
★ネタバレを含みます★
【面白くはないけれど、ヒドくはない】
脚本リー・ワネル&監督ジェームズ・ワンといえば『ソウ』で衝撃を与えてくれたコンビ。そのドキドキをもう一度、との思いはアッサリと裏切られることになる。
簡単にいえば、フツーのホラー。いつドンデン返しが……と期待しつつ観ていると、どんどん「ただのヨーカイ話」へと向かっていく。
ストーリー的にも演出的にも、その路線から逸脱しない。鏡、雷、突然の音とオドロオドロのサウンドトラック、墓場、古い言い伝え、何か重要な事実を知っていそうな老婆、廃墟、そして不気味な人形……。かつてどこかのホラーで使われたようなアイテムを適当に組み合わせ、それっぽく見せて、それなりに怖がらせるだけだ。
裏で糸を引いているものの存在も、なんとなくバレバレ。まぁ一応ラストにひとひねりがあってカッコだけはつけたものの、そのへんに転がっているB級ホラーの1つ、という印象は拭えない。
同じ人形ものなら、ハッキリと『チャイルド・プレイ』のほうが上だ。
唯一誠実なのは、このクラスの映画でも「ちゃんと作ろう」という意識が込められていること。アンダー気味で薄暗く、青っぽく、その中に赤が浮かぶ絵作りは、しっかりと“ホラーらしさ”を創出する。
ただ撮るのではなく、どんなふうに撮るかまで考えている、ということ。そのあたりまでショボくてC級D級に自らを貶めてしまっている映画が多いことを思えば、「面白くはないけれど、ヒドくはない」といったレベルの仕上がりだといえるかも知れない。
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