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2009/08/31

理由

監督:アーネ・グリムシャー
出演:ショーン・コネリー/ローレンス・フィッシュバーン/ケイト・キャプショー/ブレア・アンダーウッド/エド・ハリス/クリストファー・マーレイ/ルビー・ディー/スカーレット・ヨハンソン/ダニエル・J・トラヴァンティ/ネッド・ビーティ/リズ・トレス

30点満点中17点=監4/話3/出4/芸3/技3

【真犯人は? その狙いは?】
 少女への暴行殺人で死刑判決を受けた黒人青年ボビー・アールは、死刑廃止論者である大学教授アームストロングに「無実だ」と助けを請う。妻の説得もあって調査を開始したアームストロングは、ボビーを逮捕した警官タニーらの非協力的な態度に気圧されながらも、いくつかの新事実を見つけていく。さらに、ボビーと同じ刑務所に収監されている連続殺人犯サリバンが重要な事実を知っていることをつかむアームストロングだったが……。
(1995年 アメリカ)

【真っ当な作りだけれど、物足りない】
 フロリダの田舎町、その場面全体をうつすと同時に、各人の直近でもカメラは回り、「人種差別や貧困、社会の不条理が残る狭い世界の中で、気分のよくない汗をかく人々」というものをしっかりとすくい取っていく。
 歩み寄る姿で“引き受けた”ことを、あるいは電灯の明滅で“死”を知らせるなど演出もこなれているし、1時間40分とコンパクトにまとめたことも幸いして、ひじょうに観やすい映画だ。

 キャストも、濃いぃ~人たちがガッシリとした芝居を見せてくれて、隙がない。クローズアップされた表情にたっぷりと焦りと倦怠感と怒りとをにじませて、作品そのもののミステリアスな空気をさらに高める。

 ストーリー的にも、この手の「意外な真相が隠された犯罪モノ」としては手堅い進めかただろう。
 まぁ1時間経過時点で読めてしまううえに多少強引で都合のいい面もあるのだけれど、伏線はそれなりに盛り込んであるし、アームストロングの幼い娘(最後までスカーレット・ヨハンソンだとは気づかなかった)といった必要な味つけも施してあって、まずまずのデキ。
 手堅い、というのが最初から最後まで共通の印象だ。

 ただ、「えっ?」とか「うわっ!」には至らず「ほぉ」にとどまっているのは確か。「意外な真相が隠された犯罪モノとして、真っ当に作られている映画」ではあるけれど、それ以上ではないのだ。
 まず、しっかり作りすぎたためか「異様な不可思議さ」が不足。観客に無駄なことを考えさせる空気感が少ない。人種差別という大テーマを抉り出していくような深みもないといえる。

 さらに、ラストで下手にアクションへと持っていった点もマイナス。
 こうした映画は最後まで頭脳戦で押し通して欲しい、というのが個人的な要求。多少毛色は違うが、その要求に応える『十二人の怒れる男』やクリスティの『情婦』および『検察側の証人』、TVドラマ『ザ・プラクティス』といった法廷もののほうが本作より何百倍も面白いことを考えれば、正当な要求であるとも思う。

 要するに、どんでん返しものがクラシックとなるためには手堅いだけじゃダメ、相当のパワーとセンスと衝撃が必要、ってことだ。

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