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2009/09/01

NEXT-ネクスト-

監督:リー・タマホリ
出演:ニコラス・ケイジ/ジュリアン・ムーア/ジェシカ・ビール/トーマス・クレッチマン/トリー・キトルズ/ホセ・ズニーガ/ジム・ビーヴァー/ピーター・フォーク

30点満点中17点=監4/話3/出3/芸3/技4

【未来に、何が待つ?】
 自分に関する2分先の未来を見ることができる男、クリス・ジョンソン。正体がバレぬようラスベガスで売れない手品師として暮らす彼を、カリー捜査官らFBIが執拗に追う。ロシアから米国内に持ち込まれた核弾頭を、クリスの力を利用して探索しようというのだ。関わりを避けようと懸命に逃げるクリスにとって最大の気がかりは、ある女性の未来がなぜか見えてしまうこと。彼女=リズを探し当てたクリスに、FBIとテロリストが迫る。
(2007年 アメリカ)

【新しいタイム・パラドックスもの】
 2分先ってことは、競馬の予想には役に立たないってことだな。残念。やはり現実的には、カジノで「ほどほどに儲ける」という暮らしかたがベストか。あとはスポーツやチェス/将棋/囲碁の分野でも出世できそうだ。

 そのあたりの「2分先を読めることによって得をすること」の描写が本作のキモとなるはず。それが、ちょっと物足りない。
 序盤は、性急すぎるし説明もしすぎ。ポーカーでの勝ちかたなどは、もうちょっと“見せる”方向で作れたのではないか。それこそ「誰かがクリスに競馬を予想させて大儲けを企むも失敗」なんて場面があってもよかった。中盤以降は追っかけっこに終始しちゃうし。
 スマートでシャープな絵づくり、次から次へと訪れるクライマックス、マーク・アイシャムのスリリングな音楽などによってスピード感豊かに物語は展開するのだが、いかんせん意外性と驚きが不足気味だ。

 そもそも、大前提がかなり曖昧。未来を“見る”のか“見えてしまう”のかが漠然としているし、リズ(ジェシカ・ビールって、やっぱ可愛いな)の未来に関しては何時間も先が見えてしまうという例外に対するエクスキューズ/説明がまったくないのもいただけない。
 たとえばリズが磁気を帯びた特異体質で時計を狂わせてしまうとか、慢性非同期症候群(要するに、ずっと時差ボケ)とか、バカバカしい理由のひとつでもあればよかったのに。
 他にも、見たくないものまで見てしまったトラウマとか、2分という時間制限がもたらすイライラとか、もっともっと面白い味つけができたんじゃないだろうか。

 ただ、何パターンもシミュレーションされる未来、クリスが何人にも分裂することで示される「枝分かれする未来」など、SFチックなアイディアや未来の視覚的表現には、ユニークな描写がいくつかある。
 それにラストをああいう方向へ持っていったのだけは予想外。上記「例外に対するエクスキューズ」は依然として無視されたままだし、卑怯といえば卑怯な手法、実はこれまでにもコミックなどでは採られたことのあるアイディアなんだけれど、うっかりと油断していたため「あっ、そういう手で来たか!」と驚いてしまった

 文句をつけたくなる部分は多々あるが、まぁまぁ退屈せずに観られるし、タイム・パラドックスものアクション・ムービーの新しいありかたとしてちょっとは評価してあけでもいいんじゃないか、とも思う。

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