ウィッカーマン
監督:ニール・ラビュート
出演:ニコラス・ケイジ/エレン・バースティン/ケイト・ビーハン/フランセス・コンロイ/モリー・パーカー/リーリー・ソビエスキー/ダイアン・デラーノ/マイケル・ワイズマン/エリカ=シェイ・ゲイアー/クリスタ・キャンベル/エミリー・ホームズ/ゼンフィラ・ゴスリング/マシュー・ウォーカー/アーロン・エッカート/ジェームズ・フランコ/ジェイソン・リッター
30点満点中16点=監3/話2/出4/芸4/技3
【消えた少女、謎めく島民】
目の前で起きた事故が心に傷を刻み、休職を余儀なくされている白バイ警官のエドワード・メイラス。彼のもとへ1通の手紙が届く。差出人はエドワードの前から姿を消した元婚約者のウィロー、内容は「娘のローワンが行方不明になった……」。ウィローの故郷であるサマーズアイル島へ飛び、捜査を開始したエドワードだったが、共同生活を営む島民たちはローワンなど知らないという。エドワードは、その怪しげな雰囲気に不信感を募らせる。
(2006年 アメリカ/ドイツ/カナダ)
★ネタバレを含みます★
【リアリティに欠け、まったり感漂う】
30年前に作られた映画のリメイク。オリジナルは観ていないけれど、わざわざ撮り直す必要あったのかなぁ。
監督ニール・ラビュートは『ベティ・サイズモア』の人。あちらは「各シーンが少々おっとりとしすぎ」と感じたが、今回もその特徴は生きている。
カメラを大きく動かしたり俯瞰をポンと挟んだり、スケール感創出のための工夫はある。ミステリアスな空気はキープできているし、島の風景もそれなりに美しく、ありがちなBGMでスリルを盛り上げる手堅さも感じる。
が、カット数は少なめ、全体としてまったり、「観ていて面白い」という場面がほとんどない。
だいたい、数十年前ならともかく、現代を舞台にするには無理のある設定でリアリティに欠ける。それに、ここまで焦らす必要もないはず。エドワードが島に着いた途端、ポカリとやっちゃえばよかったんだから。
たとえ「オカルトだから、これくらい無理のある話でもOK」と考えたとしても、エドワードはキャラクター設定も行動基準も曖昧だし、ウィローもどっちつかずで、展開がまったりしているんだから、キツイ。
なんとか色を塗って“観られる”ものにはしたけれど、そもそもの骨格がしっかりしていない彫刻、という感じだ。
いっそのこと『ホット・ファズ』みたくコメディにしちゃえばよかったのに。ああそれじゃあ『TRICK』か。でも、もともと1時間程度が最適なお話だし、主演・阿部寛、横に仲間由紀恵で、なんぼか面白くなるんじゃなかろうか。
観るべき点があるとすれば、女優陣。ケイト・ビーハンの潤んだ瞳とか、文芸作品に似合いそうなモリー・パーカーの「ツン」具合とか、リーリー・ソビエスキーの得体の知れない美しさとか。
で、まさかとは思うが、そのリーリーとジェームズ・フランコの主演で続編が作られたりして。ドタバタなら観てみたいけれど。
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