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2009/10/12

今日も僕は殺される

監督:ダリオ・ピアーナ
出演:マイク・ヴォーゲル/クリスティーナ・コール/ジェイミー・マーレイ/マイケル・フィースト/チャーリー・アンソン/マイケル・ディクソン/ジョージ・ディロン/マーニックス・ヴァン・デン・ブローケ

30点満点中15点=監3/話2/出3/芸3/技4

【殺され続ける男、その理由は?】
 毎日殺されては生き返るイアン・ストーン。5時3分に始まる一日に、昨日までの記憶はなく、ホッケー選手、ビジネスマン、タクシー・ドライバーなど前日とは異なる“日常”が待ち受ける。ただし共通するのは、常に「親から結婚を急かされている女性」ジェニーが近くにいることだった。なぜ彼は殺され続けるのか? ジェニーを守れという謎の男の正体は? ハーベスターとは何者なのか? そしてまた、新しい1日が始まる……。
(2007年 イギリス/アメリカ)

【アイディア未消化】
 作りそのものは悪くないと思う。
 監督はCM出身とのこと。それらしくシャープな絵、でも妙ちくりんな方向へは走らず、見せるべきものをしっかり見せ、かつスピーディ。早送りで時間経過を表現する手際もいい。
 人影なく揺れるブランコ、突然のSE、闇、何かが現れそうな場所が背景にあるなど、サスペンスの王道的演出も見て取れる。
 のたうちまわる主人公、混乱のヒロイン、謎の美女と老人、それらキャラクター配置も演じる役者にも“それっぽさ”がある。

 まぁ逆にいえば「フツーにハラハラ」程度のデキで、この規模のサスペンス映画にあるべき目新しさや鋭さには欠けるのだけれど、序盤は十分に「どうなるんだろう?」と期待させる雰囲気を持っている。
 ダマシ系なのか、何かの実験なのか、それとも脳内世界の物語か……。
 が、ちょっとしたワクワクは、割合と早めに裏切られる

 ディメンターの完全パクリ(いかにもスタン・ウィンストンで既視感たっぷりだし)のようなハーベスターが存在感を示し始めるにしたがって、トーンダウン。ただのオカルトへと堕していく。
 しかも、クライマックスが「え?」と面食らうくらいあっけなく、物語の重要なキーとなる部分は明かされぬままで終幕。

 なぁんか、しゅぼぼぽぽほほぅ……と萎んでいく音がするくらい。アイディアだけのコケオドシ、という印象が強く残る仕上がりだ。
 雰囲気や設定、キャラクター配置などから「うぅ~ん、『平成ライダー』の最初の2話分として考えれば面白そうなんだけれどなぁ」と思うが、1本の映画として観ると「毎日殺されて生き返る」というアイディアを消化しきれずに終わった感じである。
 っていうか、アイディアだけ出しといて後は知らんってところか。

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