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2009/10/14

フレンチ・コネクション

監督:ウィリアム・フリードキン
出演:ジーン・ハックマン/フェルナンド・レイ/ロイ・シャイダー/トニー・ロー・ビアンコ/マルセル・ボズッフィ/フレデリック・ド・パスカル/ビル・ヒックマン/ハロルド・ゲイリー/アーレーン・ファーバー/エディ・イーガン/ソニー・グロッソ/ベニー・マリノ

30点満点中19点=監4/話4/出4/芸3/技4

【フレンチ・コネクション壊滅への疾走】
 NYの麻薬課に務める“ポパイ”ことドイル刑事は、今日も相棒のルッソとともに摘発にあたる。バーで麻薬の卸元たちを見かけた彼らは、そこに顔を出していたサル・ボカを尾行、情報屋からのタレコミや盗聴を経て、大きな取り引きが近づいていることを知る。いっぽうその取り引きの主、NYの大物売人ウェインストックと、フランスからヘロインを持ち込もうとするシャルニエも、警察を出し抜こうと計画を練っていた。
(1971年 アメリカ)

【映画的な映画】
 最初の30分、ほとんど説明らしき説明もないまま、ひたすらポパイとルッソによる強引な“街の掃除”、シャルニエの日常&ヘロイン輸出入の準備などが淡々と、出来事の羅列的に描かれる。
 以後も全編に渡って、無駄は廃され、意味のあるセリフもかなり抑えめ。取り引きにまつわる作業とその周辺を切り取って見せることで「いま何が起こっているか」、「彼らが何をしようとしているか」をわからせていく。

 しかも、上映時間104分の大半は尾行と追跡に費やされる。本来ならあるべき捜査の手順とか移動とか人物関係の描写などは端折る。「クルマで追いかける」や「地下鉄から降りようとして乗り、尾行を振り切る」という、シナリオ上では短い1文であろう出来事の描写にたっぷりと時間を割く。
 もちろん、クルマと併走しながら車内をうつすカット、ダイナミックにモノゴトを追うカメラ、スピーディな編集、ジャズと不協和音などによって緊迫感を持続させながら。

 その潔さというか力技というか、「シンプルなプロット/ストーリーを、スリリングに見せることだけに注力する」という作りに痺れる。
 好きです、こういう方法論。そして、これこそが“映画的”といわれるべきベクトルであり技法であるとも思う。

 ヒリヒリした空気の中に、ポンと、ポパイのだらしなさとか、はしゃぐ子どもとか、くだらない会話とか、緩急の“緩”を入れ込むのもポイント。ジェットコースター的な展開にふぅと息を吐き出すタイミングを作ることで、その前後の“急”がさらに生きていく。

 30年以上も前の作品とあってさすがに乱暴さや古めかしさも見受けられるのだが、「どう見せるか」という点に関して教えられることの多い、実に映画的な映画である。

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