フレンチ・コネクション2
監督:ジョン・フランケンハイマー
出演:ジーン・ハックマン/フェルナンド・レイ/ベルナール・フレッソン/フィリップ・レオタール/エド・ローター/シャルル・ミロ/ジャン=ピエール・カスタルディ/キャスリーン・ネスビット/サマンサ・ロレンス
30点満点中18点=監4/話4/出4/芸3/技3
【捜査はフランスへ】
ヘロインの流通ルート=フレンチ・コネクションを壊滅させるため、その基点であるマルセイユへ送り込まれた“ポパイ”ことドイル刑事。だが現地警察のバルテルミー警部らは非協力的、加えてドイルの独断専行がもとで潜入捜査中の味方が命を落としてしまう。やむなく、ドイルはひとりで町を歩き、密売人シャルニエの影を探す。が、その捜査の裏にはある企みが隠されており、ドイルは絶体絶命のピンチへ踏み込むことになるのだった。
(1975年 アメリカ)
【上出来以上の続編】
前作ほどにはギリギリと迫るエネルギーは感じられないものの、「パート2に良作なし」の定説を覆す仕上がりだ。
パート1の作り、すなわち物語を“展開させる”のではなく“いま何が起こっているのかをうつす”という方法論を踏襲しているのが成功の要因。
しかも、エイプリル・フール、ドイルが墜ちていく様子、救命処置や苦しむ姿など「中心となっている事件の全貌とは、少し離れた地点」にあるモノゴトを、たっぷりと見せる。
ただし前作と比べて、投げ捨てられる魚、バーテンダーとのくだらないやりとり、イギリス生まれの老婦人、ミッキー・マントルに関する会話、素早くチョコに手を伸ばすバルテルミー……など、緩急の“緩”ばかり寄せ集められているように思える。
が、それがかえって焦れた空気を生み、終盤30分の“急”における爆発力につながるのが面白い。
血の色が安っぽかったり、シーンのつなぎは相変わらず乱暴だったりするのだが、拾い上げられる町の音、出来事の中へ飛び込んでいくようなカメラワーク、遠景の野次馬たちといった要素によって、リアリティはキープ。一人称視点という意欲的なカットもある。
そして、やはり前作同様「終わりじゃ、ボケ」と観客に叩きつけるかのようなラスト。「あ、ここで終わるかも」と感じた瞬間、ホントに終わるのが不思議だが、それだけ説得力のあるエンディングということなのだろう。
別に意味のあることばかり追わなくってもいい、寄せ集めでも十分にスリルは創出できる、その作りがパワーを生み、観る者はバチンと硬いものを投げつけられたかのような鑑後感を覚える……。
2作を通じて、そうしたことを教えてくれるシリーズである。
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