僕たちと駐在さんの700日戦争
監督:塚本連平
出演:市原隼人/石田卓也/加冶将樹/賀来賢人/脇知弘/冨浦智嗣/小柳友/成嶋こと里/倉科カナ/森崎博之/坂井真紀/石野真子/竹中直人/豊田エリー/麻生久美子/佐々木蔵之介
30点満点中15点=監3/話3/出4/芸2/技3
【イタズラ集団vs駐在の対決】
1979年、栃木県のある田舎町。悪知恵の働くママチャリ、喧嘩の強い西条、大家族の孝昭、秀才のグレート井上、肉屋の千葉、やけに女っぽいジェミーらは、高校の問題児、有名なイタズラ集団。彼らと対峙するのは赴任してきたばかりの駐在さんだ。駐在さんの美人妻・加奈子、その妹で女子大生の美奈子、重い病気を抱える小学生のミカちゃんらを巻き込んで、集団と駐在さんによるバカバカしい戦争は、エスカレートしていくのだった。
(2008年 日本)
【思った以上には健闘】
序章、立ち昇る陽炎の中で繰り広げられる「ネズミ捕り事件」はコミカルでスピーディ。以後も全体に軽快で、この規模の映画にしては手間ひまをかけて撮られている感じもある。妄想の中の加奈子さんに白のスケスケブラウスを着せたのもツボ。
ま、テレビサイズなのは仕方のないところか。画角にもっとバリエーションは欲しかったと思うし、美術関係なんか、やっつけ仕事。せっかく当時の楽曲でノスタルジィをアオリながら締めはファンキー・モンキー・ベイビーズっていうのも、やたらと登場するゲスト陣も、ちょっと興ざめだ。
ストーリー的には、雑然とした印象はあるものの、まずまず上手にまとめてある。
前半は盛り込みすぎ、しかも各エピソードが説明セリフで始まるという頭の悪いシナリオではある。対する後半は「花火盗人」に絞ったのは当然としてもややテンポが悪い。クライマックスは原作のほうがよっぽど感動できたので、この部分のアレンジもイマイチだろう。70年代の“古き佳き”雰囲気も十分に出せているとはいいがたい。
描かれているのは、たわいもないイタズラ戦争であり、ドタバタ劇。自分より1世代上の話であることに加え、いたって真面目な高校生活を過ごした身としてはシンクロする部分もない。
が、『がんばれ!!ロボコン』とか『5年3組魔法組』に通じる「罪のない騒動」としての楽しさはあり、「ブログに綴られた散文」を映画化したという経緯を考えても頑張っているんじゃないだろうか。最後まで笑いながら観られたし。
キャスティングもマズマズ。ママチャリ=市原隼人はかなりイメージからズレているが、その他の面々は、それなりに適役。特にジェミーは「日本に冨浦智嗣くんがいて良かった」と思わせる。
佐々木蔵之介の駐在さんもハズレではないし、豊田エリー、麻生久美子、倉科カナとキレイどころを揃えたことも評価したい。
そんなこんなで、決して褒められたデキではないけれど、思った以上には健闘している映画、という位置づけ。
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