センター・オブ・ジ・アース
監督:エリック・ブレヴィグ
出演:ブレンダン・フレイザー/ジョシュ・ハッチャーソン/アニタ・ブリエム/セス・メイヤーズ/ジャン・ミシェル・パレ/ジェーン・ウィーラー/フランク・フォンテイン/ジャンカルロ・カルタビアーノ
30点満点中16点=監4/話3/出3/芸3/技3
【地底には、いまだ見たことのない世界が】
大学で地質学を教えるトレバーは、10年前に行方不明となった兄マックスの遺児であるショーンを預かることに。トレバーがふと手に取ったのは、兄の愛読書、ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』。そこにはびっしりと謎のメモが書き込まれ、さらには各地の地震計が10年前と同じ数値を示し始める。アイスランドへ飛んだトレバーとショーンは、ガイドのハンナとともに、兄が消えたと思しき“地底世界への竪穴”へと踏み込んでいくのだった。
(2008年 アメリカ)
★ややネタバレを含みます★
【アトラクション&ゲーム風】
オープニングは夢。主人公のひとりが中学生で、ドンチャカとアクションがあってロマンスもある。要するに夏休みのティーン向けB級アドベンチャー・ムービーだな、これは。
でも、その範囲内では上手にまとめてある。
序盤の展開はやや遅めだが、以後は、雷、爆発、崖、トロッコに落下に海に浮遊に植物に恐竜……と、地底世界で考えられるさまざまなハプニングをバリエーション豊富に&テンポよく詰め込んであって、飽きさせない。
ま、逆にいえば意外性はないんだけれど、原作を上手く現代風・アトラクション風・ADVゲーム風に仕上げてあることは確かだ。
監督は特撮畑の人で『アイランド』や『デイ・アフター・トゥモロー』、『ヴィレッジ』などに携わったらしい。その割には合成がグリーンバック臭くてVFXのクォリティも高くないように思えるが、まぁB級アドベンチャーとしては及第点。それに単なる会話シーンでも人の動きやリズムに気を配っていて、作りとしては安っぽくない。
キャストは基本的にワーワーいっているだけ。たとえば『テラビシアにかける橋』で見せたジョシュ君のナイーブさなんか全然感じられないし、もっと3人のキャラクター付けを明確にし、それぞれの個性を生かした展開があってもよかったとは思うが、余計な枝葉を刈り取ることでスマートさは生まれている。
そんなわけで、薄いけれどギッシリ、という映画。大人が鑑賞するにはちょっとキツイけれど、遊びに来た小学生の甥っ子なんかに見せるにはピッタリだし、「この映画がゲーム化されているなら、ちょっとやってみたい」とは思わせる。ちなみに東京ディズニーシーにある同名のアトラクションは本作ではなく原作が下敷きになっているものらしい。そっちにも乗ってみたいところだ。
と、そんな風に思わせる時点で、映画としてはともかく、商売としては合格といえる作品なんじゃないだろうか。
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