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2010/03/20

SAW 5

監督:デヴィッド・ハックル
出演:トビン・ベル/コスタス・マンディロア/スコット・パターソン/ベッツィ・ラッセル/マーク・ロルストン/ジュリー・ベンツ/ミーガン・グッド/カルロ・ロタ/グレッグ・ブリック/ローラ・ゴードン/ジョリス・ジャースキー/シャウニー・スミス/ドニー・ウォルバーグ/ダニー・グローヴァー

30点満点中15点=監3/話2/出3/芸4/技3

【ジグソウ死後も続くゲーム。後継者を追う男】
 命を粗末にしている者を拉致・監禁し、生き残るための“ゲーム”を仕掛け続けたジグソウは死んだ。が、依然として続けられるゲーム。真相を解き明かそうとしたホフマン刑事、FBIのストラム捜査官も捕らえられ、ゲームの被験者となってしまう。かろうじて生き延びたふたりだったが、なおも謎を追い続けるストラムに対し、ホフマンは「事件はすべて解決した」と主張する。やがて、新たに5人の男女がゲームの参加者となって……。
(2008年 アメリカ/カナダ)

【あくまでも○分の1】
 もうここまで来ると、もはや誰がどういう目的で何をしようとしているのかごっちゃごちゃだなぁ。
 もともとは初代ジクソウによる「真剣に生きようとしない者、生命の価値を軽んじる者に鉄槌を」という歪んだ思想から始まったはずだが、なんとなくハングマンとか仕事人とかの安っぽい「悪いヤツを懲らしめる」的ノリも漂い出したし、今作に至っては「邪魔するヤツにもお仕置きだ」だもん。

 描きかたとしては、まぁまぁ妥当。過去作でプロダクション・デザインを手がけたデヴィッド・ハックルが監督を務めただけに、仕掛けの数々はいかにもこのシリーズっぽいし、あれもこれもが仕掛けに見えてくる、という怖さもある。時制をいじくるストーリー・テリングも、このシリーズならではのお楽しみだ。
 加えて今回は「ストラム捜査官が一歩ずつ真相に迫る」という、これまでありそうでなかった新機軸も。

 ただ、つなぎというか、あくまでも5分の1、という雰囲気は否めない。本作だけで「1本の映画」としては評価できない作りであり、ジクソウの妻が手に入れた謎の箱とか、いろいろと解き明かされるのは、まだ先の話。つまりは次回作も「6分の1」になる可能性が大。
 そろそろスパっとケリをつけてもらいたいもんである。

 シリーズ未見の人には「悪いことはいわないから1作目だけにしておきなさい。ギリギリ2作目まで。それ以降は無視」とオススメしたい。

第1作 時代を創った低予算サスペンスの佳作
第2作 上手く仕上げたミステリー・アドベンチャー
第3作 人物と観客が試される
第4作 1点収束の集大成

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